和食の素晴らしさを伝えたい
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米国ニューヨーク(以下NY)在住のフードドクターの平田仁志氏による講演会が、このほど福岡市内の各地で開催された。福岡市出身の平田氏は、マクロビオテック・ヘルスカウンセラー、ヘルスコーチなどの資格を持ち、人々の食と健康を多方面からサポートしている。
平田氏は、NYで個人に対してヘルスカウンセリングを行うほか、講演会やワークショップ、料理教室や味噌作り教室などを開催している。またエイズ患者の支援団体に、クッキングクラスなどを提供するボランティア活動もしている。
この数年は年に2回ほど日本に戻り、米国で得たマクロビオテックやフードカウンセラーの知識と経験で、講演会やワークショップ、企業の社員教育、個人カウンセリングなどを行ってきた。今回福岡では、無農薬野菜を使った食事会とコラボで講演を行い、「NYから見た日本食」をテーマに、日本の発酵食品や伝統食品の薬効や腸内環境の大切さなどを語った。「病気や疾患の回復には、人間本来の食べ方『人間食』に戻すことが重要になってきます。人間の歯の構造は、穀物や野菜などをすり潰す臼歯の数が多く、肉を噛み切る犬歯は少ないのです。この割合で、食事を摂ることが理想的であり、和食は理に適っています。普段から肉やパン、スナックなどで食事を済ませている人が、和食中心のメニューに切り替えると、多くの病気や疾患が劇的に改善される例をたくさん見てきました」(平田氏談)。昨今の日本人が自国の伝統的な食生活を疎かにし、欧米化された食事で健康を害していることは否めない。平田氏は、“ヒューマンフード=人間食”を取り戻そうという概念で、現代の食のあり方に警告を鳴らす。
日本にいると無農薬野菜をどこで買えばよいか、また高すぎて購入できないといった話を、平田氏はよく耳にするという。米国では、主にオーガニックフードを取り扱う大手スーパーのチェーン店があり、無農薬野菜は簡単に手に入る。コマーシャルフードかオーガニックフードか、購入するときに選択しやすい環境ができていると言える。日本では、東京を中心に自然派のスーパーやレストランの数は増えてきたが、まだまだ日本人の食に関しての意識は低く、安全・安心な食べ物を求める声は少ないのかもしれない。
「昨年、米国では遺伝子組み換えの養殖サーモンを市場に出すことが許可されました。しかも表示の必要がないのだといいます。私は、遺伝子組み換えはもちろん反対ですが、少なくとも表示は絶対にされるべきだと思います」(平田氏談)。日本では既に大豆、トウモロコシ、じゃがいもなどの遺伝子組み換え輸入作物の食用と飼料用が、それぞれ120品種以上流通しており、気づかぬ内に我々の口に入っている。この背景から、今後は国内でも遺伝子組み換えサーモンが、寿司のネタやサケフレークなどの加工品に使用される可能性も否定できない。
今後も平田氏は米国と日本を往来し、食に関する情報発信とともに和食の素晴らしさを伝えていきたいと語る。次回の福岡講演会は9月頃を予定している。【村重 珠実】
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(有)Whole Life with Jin
URL:http://www.wholelifewithjin.com/japan
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