福岡地区の協同組合工場および有力アウトサイダーの(株)サカヒラの麻生セメントとの関係構築が、同地区生コン勢力の中心を形成している。
麻生セメントは、仕入れ値において同業他社よりも優位なので、粗利益率も優勢であることが推測される。「他のセメントメーカー系列の工場は、セメントメーカー本体からの出向者が代表に就任するケースが多い。工場によって異なるが、3~5年間程度勤めて次の代表にバトンタッチ。だから、在任中はあまり波風を立てるような言動はしない。よって福岡地区においては、麻生セメントのシェアが高いことがわかっていても、それに対して意見をすることはない。自分が代表の間は、何も起こらないことが一番であるのだ。本音は、自社系列のセメントの供給量が高まることを願っているのに…」(前出生コン製造工場幹部)。
福岡地区においての麻生ブランドの絶大さは理解できた。今後、有力アウトサイダーの(株)サカヒラが同協同組合に参入するには、各工場が有する“シェア”を再構築する必要がある。工場数が増えることで、既存の工場の“シェア”を差し出さねばならない可能性もある。前述通りセメントメーカー系列の工場は、何も異論を唱えないだろう。一方で、独立系の工場にとっては死活問題である。「サカヒラの参入するためのシェアを確保するなら、まず麻生セメント系列と麻生セメントを使っている工場が、各々のシェアを差し出すことをすべきであろう。それが筋だ」とする。
福岡地区の生コン勢力図のキーマンは、麻生セメントである。動向に注目したい。
(了)
【河原清明】
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