2024年11月23日( 土 )

日々実践するのは商品を売ることではなく、自分を売るための自分磨き

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(株)ヒューマンライフ 代表取締役 中山 英敬

自分でやるしかないと資金ゼロから設立

(株)ヒューマンライフ 中山 英敬 代表取締役<

(株)ヒューマンライフ 中山 英敬 代表取締役

 洗練されたいでたちに、どこか人間臭さを感じさせる風貌。初めて接した際に感じた、(株)ヒューマンライフ代表取締役の中山英敬氏の印象だ。中山氏は、同社の代表取締役に加え、福岡県中小企業家同友会の代表理事、そして(株)ラ・メルシーズカンパニーの経営など、今まさに脂が乗り切った経営者である。多忙極まりないだろうに、本業と直接的な関わりのない同友会の活動は、言ってみればボランティア。これも経営者としてすでに17年の余裕の証だろうか。

 「今でこそ順風満帆と言っていいかもしれませんが、創業時の苦労は一言では言い切れません。地元の麻生セメントに入社して、30代の終わりに脱サラして資金ほぼゼロの状態からヒューマンライフをスタートしました。サラリーマン時代にお世話になった方々の支援もあり、何とか軌道に乗ったと感じたのは、創業から4年が経った頃でしたね」。

 麻生への入社から7年後に、新規事業としてスタートした人材派遣に従事。営業部門の責任者としての活躍を買われ、テレマーケティング事業を任される。奮闘の末、大きなビジョンを思い描くところまで行ったが、会社は3年も経たないうちに事業からの撤退を表明。「ならば自分でやるしかない」と、ヒューマンライフ設立に至る。

手応えが見えてくると強くなる

 営業時代、そして今も続くポリシーは「商品を売らない」こと。それは「商品ではなく、自分を売ることだ」と語る中山氏。「買ってください」と頭を下げるのではなく、相手が自分と関係を持ちたいと思ってもらえるよう、今日に至るまでずっと自分磨きを実践してきたと言う。
 「ヒューマンライフの仕事はコールセンターです。電話を通して顔も知らないお客さまと対峙するわけでしょ。難しい仕事です。受け身で何となくやっていたら、とても続けられる仕事ではありません。そこでオペレーターが日々実践しているのも、商品を売るのではなく、自分を売るという自分磨きです。お客さまが何を思い、何を求めて電話をしてくるのか。本当に喜んでいただくために自分たちに何ができるのか。そこで手応えが見えてくると強くなるんです」。

今ある力を伸ばしていくことこそ必要

 社員はもちろん、パートのスタッフを含めても離職率が極めて低いという同社。目指すのは、日本一素晴らしいと言われる電話応対だが、すでにその評価は高い。「電話応対に関してはどこにも負けません」と語る中山氏。お客さまから感謝のハガキや手紙が毎日たくさん届くと言う。

 そして同友会の活動については、「地方創生という言葉がよく言われますが、地域を上から見ると地方ですが、そうではなくそこに根ざす当事者として考え、つくり出すという創生ではなく再生、伸ばしていくことこそ必要だと考えています。日本の企業の99%を占める中小企業が中心となり、成長することで、そこで働く従業員を守っていくことこそが大切だということを訴えています。私自身、同友会からさまざまなことを学ばせてもらいました。とくに厳しかった時代に私の精神をかたちづくってくれた、同友会に感謝しています」と語る。同友会の存在が、中山氏のその後の生き方に大きく影響を与えたことは言うまでもない。そんな会に対し、今は恩返しをしているところだそうだ。

※記事内容は2015年8月31日時点のもの

<COMPANY INFORMATION>
(株)ヒューマンライフ
代 表:中山 英敬
所在地:福岡市博多区博多駅東2-17-5
設 立:1998年1月
資本金:1,000万円
TEL:092-482-8500
URL:http://www.human-life.co.jp/

<プロフィール>
nakayama中山 英敬(なかやま ひでたか)
1957年生まれ。福岡県田川市出身。愛知工大を3年で中退。地元で麻生セメント(株)に入社し、セメント製造工場の工務課に所属。7年後に人材派遣サービス部門の営業を担当。抜群の営業力で責任者に昇進後、テレマーケティング事業の責任者に抜擢されるが、事業撤退とともに独立。資金ゼロから(株)ヒューマンライフを創業する。

 

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