2024年11月27日( 水 )

求められる法令遵守~(株)トキワ設備

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本管工事業者の代表格

fukei (株)トキワ設備は1966年2月に棚町設備工業として創業。69年11月に(有)トキワ設備として法人化を果たし、72年11月に株式会社に組織を変更した。現在の代表取締役社長は2代目となる棚町啓一氏である。本社は福岡市早良区東入部にあり、2014年9月に西部水道工事(株)、(有)佐藤商会、(株)野村商店からなるグループの3社ともに新築のビルに移転した。

 事業内容は地中埋設管の本管工事を主力とし受注先は福岡市水道局や福岡市サービス公社などが発注する公共工事を手がける。耐震化における旺盛な公共工事の発注を背景に15年3月期の売上高は12億2,643万円、当期利益は2,166万円を計上。しかも無借金経営を続けている。

 自己資本比率は67%、4億円を超える現金預金を持ち強固な財務内容を有する同社。グループの核となる会社であり、福岡市における本管工事の代表的な業者と言えよう。

連続する指名停止措置

 だが同社は、福岡市より4カ月間(1/25~5/24)の指名停止措置を受けた。内容は昨年12月24日、契約工事の東区和白5丁目で配水管を油圧ショベルで運搬中、方向転換の際に配水管が振れて、踏切待ち停車中の軽自動車に接触、バンパーを破損し助手席に乗っていた1名を負傷させたというもの。事故を起こしたのもさることながら監督員が市への通報および事故発生報告書の提出を怠っていた事実が判明。2016年1月18日に被害者より東区役所へ事故についての苦情があり、今回の事故がわかったというのだ。下請け業者がこの事故を起こしたと聞くが、同社の監督責任問題が大きく問われることとなった。ふたつの違反行為が重なり指名停止が4カ月間に延びた。

 同社の指名停止は初めてではない。ここ数年同社に対しての指名停止措置が続いている。ガス管破損の報告が無く指名停止措置を受けたのをはじめ、元役員の暴力事件、今回の事故とその報告がなかったことの契約違反などである。
 これらの対策として求められるは、同社の社員教育の徹底と幹部へのマネジメント。血税を投入した公共インフラの一角を担う工事を手がける業者として、更なる法令遵守の徹底が必須だろう。

【道山 憲一】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:棚町 啓一
所在地:福岡市早良区東入部1-2-47-201
設 立:1969年11月
資本金:4,000万円
業 種:管工事
売上高:(15/05)12億2,643万円

 

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