2024年11月22日( 金 )

国際都市・中洲にて国際社交場を担う

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

ロイヤルボックス ママ 藤堂 和子 氏

文化人の顔で中央にファンを築く

 中洲には、数多い高級ブランドのクラブがひしめいていた。その老舗クラブには、必ず名物ママたちがいた。そのママたちが老齢化するに従って、店は衰退し廃業していったのである。その都度、マスコミは「中洲の明かりが消える」という追悼の記事を流した。時代の激変に対応できずに、クラブ社交場は消え去っていったのである。その中洲の夜に、燦然と輝いているクラブが『ロイヤルボックス』であり、そのオーナーママが藤堂和子女史だ。

ロイヤルボックス ママ 藤堂 和子 氏<

ロイヤルボックス ママ 藤堂 和子 氏

 『ロイヤルボックス』が中洲におけるクラブブランドに磨きがかかり始めたのは、平成になってからである。和子ママの実兄から事業を継承したのが平成初頭。ここから躍進が始まっていった。和子ママ本人は、1971年から航空スタンドバー『リンドバーグ』を引き継ぎ、運営してきた。和子ママと歴代の老舗クラブの名物ママたちとの決定的な差異は、どこにあったのか?一言で言えば、情報発信活用の巧妙さと、文化の香りを売りにしたことだ。

 『リンドバーグ』を経営していた80年1月、情報誌(リンドバーグ)を発行し始め、翌年に『中洲通信』に、91年には『LB中洲通信』へと誌名をチェンジした。この『LB中洲通信』は、中洲のシティ情報誌の役割を果たしてきた。この『中洲通信』の編集全般において、誰しもが抱く「ナカスのイメージ」を膨らます起爆剤となった。これが『ロイヤルボックス』のブラッシュアップに貢献したのである。藤堂和子女史の培った文化の香りを醸成・発散させる能力が、成功の原点になったと言える。

 だから、顧客の主力は、東京・名古屋・大阪の面々である。『博ちょん』が本社に戻って「中洲に行ったらロイヤルボックスを訪ねないと、ナカスのことはわからない」と宣伝してくれれば、次の『博ちょん』が店の常連になってくれる。和子ママの強かなイメージ戦略で、類が類を呼んでくれたのだ。いつの日からかロイヤルボックスのことを、『中央大企業の社交場』と呼ぶようになった。老舗先輩のクラブとは対照的な道を選択したのは、賢明と言える。

 和子ママが最も尊敬するオーナー経営者は、『ダイエー・中内功氏』と言いきる。地元の経営者たちは、「ロイヤルボックスに行けば大手経営者に会える」と店通いをするようになる。これら地元経営者からの「大手企業につないでいただきたい」という相談には、必ず一肌脱ぐ姐御肌の一面もある。そうなると、ますます地元でも顧客ファンが連動・増大していくのだ。

国際都市・福岡に対応能力を高める

 連日、川一つ離れたキャナルシティ博多には、中国人観光客が群がっている。国際都市・福岡には、単なる一般観光客が押しかけているだけではないのだ。国際的にビッグなビジネスの相談に要人たちが殺到している事実は、関係者しかわからない。福岡市民の知らないところで、この福岡が戦略的国際都市に加速的に変貌しているのである。誇るべきことだ。30年前から叫ばれていた『アジアの玄関口・福岡』が、実体化されつつあるのだ。

 さて、世界の経済界の要人たちは、夜の社交はしないのか!?とんでもない。夜も精力的に、ビジネス社交を余念がなく展開している。つい最近のことだが、インド財閥の要人も店で楽しんでくれた。『ロイヤルボックス』を使う客層で、経済状況が一目瞭然に理解できる。『次は、国際社交場として担える店づくり』という藤堂和子ママの特有の勘が閃いている。さすが、時流を読む洞察力は卓越している。日本人スタッフたちに『語学と気配り』の教育を本格させる意向だ。和子ママのお客へのおもてなしの意欲には衰えはなく、事業意欲が一段と燃え上がっている。

※記事内容は2015年8月31日時点のもの

<INFORMATION>
■ロイヤルボックス(会員制クラブ)
所在地:福岡市博多区中洲3-2-12 第3ラインビル7F
TEL:092-272-0541

■航空スタンド リンドバーグ(スタンドバー)
所在地:福岡市博多区中洲3-2-5 第四ラインビル3F
TEL:092-291-8125

<プロフィール>
toudou_pr藤堂 和子(とうどう かずこ)
1946年、福岡市生まれ。71年、老舗の航空スタンドバー「リンドバーグ」を先代から受け継ぐ。90年代に高級クラブ「ロイヤルボックス」の経営を引き受け、中洲一のクラブとして成長させた。

 

関連キーワード

関連記事