2024年12月23日( 月 )

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(株)博多屋 代表取締役 山本 一隆

モンドセレクション8年連続金賞受賞

hakata_mentai2 福岡・博多を代表する名産品の辛子明太子。会社設立から31年、辛子明太子メーカーの(株)博多屋は「博多の味」にこだわり、製造を行ってきた。明太子が博多の名産品となって以降、さまざまな明太子業者が誕生。辛さに特徴を出すために通常の何倍もの唐辛子を加えたり、逆に辛さを控え目にしたりと、商品も多種多様になっていった。多くの商品があるなかで、同社ではあえてスタンダードな博多の味にこだわっている。オーソドックスな味であれば博多の味として、どの地域でも受け入れてもらえるという考えに基づくものだ。

 明太子一筋で事業展開を行っているが、同社の明太子には変わらないこだわりがある。同社の贈答用明太子「博多献上」では、原料のスケソウダラの卵(スケコ)は明太子に最も適しているとされる「真子」を使用する。スケコは成長度合いにより味や食感に違いが出るため、仕入れ時期には経験豊富な熟練スタッフが米国と韓国で行われる原料オークションに出向き、スケコのサイズ感、粒感、色、皮の厚さなど、すべて実物をチェックし、こだわったものを仕入れ使用している。
 厳選された原卵を熟練の職人が絶妙に加減しながら、天日塩で仕上げる。これにより、心地良いプチプチとした感触のふっくらと丸い粒に仕上がる。また、製造するなかで大きな役割を果たす日本酒には、福岡で醸造されたものをこだわって使用している。浸透力の異なる2種類の日本酒を使用し、じっくりと旨みをしみ込ませる。これを同社では「追熟製法」と呼んでおり、味を決める重要なポイントになる。唐辛子が入り明太子が完成するが、味付けは長年の勘が物を言う。同社の最高品質の明太子「博多献上辛子明太子450g」は、ベルギーの優秀品質の国際評価機関であるモンドセレクションで8年連続金賞を受賞している。

手軽にこだわりの美味しさを

 同社では需要増にともない福岡市東区東浜に新工場を構え、3工場での増産体制を確立した。これにより今後は新工場での効率的な生産が可能になってくるため、さらなる味の普及にも努めたいとしている。博多屋では、このこだわりの『博多献上』のチューブタイプを3種類発売した。明太子の皮を丁寧に取り、明太子そのものをチューブ化しているため、味は『博多献上』そのまま。ご飯にも、調理にも簡単に使用できるというものだ。100g680円(税込)と購入しやすい価格帯。「まずは、手軽に食べて味を知っていただきたい」と山本社長は話す。また、本社では販売スペースを設け、月1回売り出しを行っているが、「地元の方に徐々に認知されてきているという手ごたえはある。いつも購入していただけるファンもついてきた」と話す。

 福岡は中国、韓国などとも近く、空港、港も市街地からも近い地理的な優位性から、『アジアの玄関口』と言われる。そのため、団体で福岡を訪れる中国をはじめとした外国人観光客も急増している。「外国でも寿司や刺身などで少しずつ生魚を食べる習慣が広まってきているが、明太子はまだまだ好んで食べられる状況ではなく、外国人から見て福岡土産という認知度もほとんどない。しかし、観光業、飲食業などを中心に潤い、まわりまわって福岡全体の景気が良くなればと、観光客の動向に期待したい」と話す山本社長。
 福岡経済の活性化とともに、博多を代表する明太子もより一層脚光を浴びることは考えられる。同社としては1人でも多くの人に知ってもらえるように、地道に努めていく。

※記事内容は2015年8月31日時点のもの

<COMPANY INFORMATION>
(株)博多屋
代 表:山本 一隆
所在地:福岡県糟屋郡新宮町下府2-10-33
設 立:1985年11月
資本金:2,000万円
TEL:092-962-2601
URL:http://www.hakataya.co.jp

<プロフィール>
yamamoto_pr山本 一隆(やまもと かずたか)
1972年、福岡市生まれ。アメリカの大学を卒業後、(株)極洋を経て、(株)博多屋に入社。2009年、同社代表取締役に就任。

 

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