2024年11月22日( 金 )

安倍政治を許さない主権者が統一候補者を支援

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 政治経済学者の植草一秀氏が3月23日、自身のブログとメールマガジンの記事で、安倍内閣の政治方針を批判する集会でのTPP、在日米軍基地、格差問題に関する登壇者の発言を紹介した。NetIB-Newsでは、同記事の一部を抜粋して紹介する。


 3月18日開催オールジャパン平和と共生主催「安倍政治を許さない!参院選総決起集会」第2部「原発・憲法・TPP・基地・格差問題を考える」での各登壇者の発言の続きを高橋清隆氏のブログ記事「野党各党と市民が「安倍政権打倒」で気勢 オールジャパン平和と共生」から転載させていただく。

巨大なあっせん利得[TPP]

 TPPについては山田正彦元農水相と鈴木宣弘東大教授、孫崎享元外務省国際情報局長、食政策センタービジョン21の安田節子代表が講話した。山田氏は、TPPの国会承認と関連11法案を審議する特別委員会が月内に設置され、衆院で4月、参院で5月に決まるとし、「日本だけが一番最初に批准してしまう。米国はトランプさんもヒラリーさんも、有力な大統領候補はみんな反対。絶対に批准はない」との見方を示した。「2012年の総選挙で『TPP断固反対』と戦った自民党が、国を売るような協定を進めた。他の国が二の足を踏む中で『安倍さんだけが、日本だけが、どうしてやってしまうのか』などと考えられるのを恐れ、参院選の争点にされたくない。強行採決を考えているかも」と警告した。

 鈴木氏は「TPPはぎりぎりまで大変なけんかをして決まったと言われているが、うそ。1年前に決まっていた」と明言。2014年4月、東京・数寄屋橋のすし屋でオバマ大統領と安倍首相が会食した際、一部のマスコミが「秘密合意あった。牛肉9%」とすっぱ抜いたことを指摘した。「今回決まった数字と同じ。あのときすでに決まっていた。早く認めると農家が怒るから、頑張ったふりをした。その間、たくさんの方が苦しみ、農業をやめた方がいるが、TPP参加に突き進む彼らにはどうでもいいこと。自分の周りにいる利害ある人の利益を高めるためのルールを無理やり押し付け、それによって自分の地位を守る。今だけ、金だけ、自分だけの権化のような方が暴走している」。さらに鈴木氏は「甘利さんはあっせん利得の疑いで辞任に追い込まれたが、TPPこそ巨大なあっせん利得罪。米国でTPP推進の共和党ハッチさんはファイザーやノバルティスから2年で4億円の献金をもらい、人の命を縮めてでも安い薬が作れないように特許保護期間を20年に延ばせと騒いだ。これがTPPの構造」と両断した。

 孫崎氏は、1858年に締結した日米修好通商条約を引き合いに「治外法権を認め、関税自主権を放棄するという、最大の欠陥を持つ不平等条約。回復するのに40年かかった。しかし、今日のTPPほどひどいものはない。国の主権を放棄するから」と問題提起した。「日本に投資する外国企業が日本の法律、裁判所、行政によって被害を受けた場合、国際仲裁裁判所に訴え出る。これは憲法41条に定める『国会は、国権の最高機関』であることや、同76条に定める司法権裁判権を否定するもの。TPPは日本という国を売ってしまう制度」
と断じた。

 安田氏はTPPの本質を「労働者保護や医療、食の安全などの規制をなくし、グローバル企業に差し出すもの」と定義。「国内中小企業に対する制度融資は差別的だと認められなくなる。外資による水源や農地の取得を制限するのが不可能になる。食品の安全規制ができなくなる。食品添加物をがんがん増やすことを約束し、残留農薬基準が日本の基準の数十倍あるいは数百倍というポストハーベストの米国基準を受け入れ、農薬まみれの農産物を輸入することになる」「牛肉や豚肉の関税が大幅に下がるが、牛肉ではほとんどの国が禁止する合成ホルモン剤が、豚肉では赤身増量剤が米国や豪州で使われている。米国内での乳がん多発は、食肉や乳製品に残留するホルモン剤が疑われている。遺伝子組み換えの審査過程には、開発企業の参加を認める約束している」と指摘した。

民意で米国から独立を[辺野古基地]

 沖縄県・辺野古への米軍基地移設問題については、平野貞夫元参院議員と川内博史元衆院議員が講話した。平野氏は、自身が小沢氏とともに米軍基地問題について2度関わったことを明かした。1度目は1990~94年。高知西南地域の国有地にPKO訓練センターを誘致し、そこに沖縄米軍基地の一部を移設するため、高知県の費用で『基礎設計構想』をつくったが挫折。2度目は1997年の「駐留軍用地特別措置法改正案」をめぐり、当時の橋本首相と小沢新進党党首の会談で、小沢氏が「沖縄基地の縮小・整理・移設のための法律をつくれ」と要求し、決裂した。平野氏は「法と行政が絶対ではない。議会制民主主義では民意の支持を得てこそ正当性がある」と述べ、99年に決まった辺野古基地への移設は「民意に沿う形に戻すべき」との見解を示した。「最低でも県外」と主張した鳩山民主党政権は10年に退陣したが、翁長(おなが)知事を支える「県民ネット」所属の沖縄県議会議員は「鳩山総理のあの見識と判断のおかげで、県民は目を覚ました」と評価していること紹介した。

 川内氏は10年4月19日、外務・防衛の両官僚が当時の鳩山首相に県外移設を断念させる説明を行ったときの極秘資料を紹介。「安保課長、防衛課長の名前が記され、さらに米軍のヘリコプター基地と同訓練場の間は米軍マニュアルによれば65カイリ(約120キロ)でなければならないと書いてある。しかし、鳩山さんと両省に確認を求めると、『今はこの文章は存在していない』と説明される。とんでもないこと」と指弾した。「この文書は絶対に県外に出さないとの根拠に使われ、鳩山さんは移設断念に追い込まれた。一国の総理をペテンに掛ける文書。この問題をこのままで終わらせる気はない。皆さんと本当の意味での米国からの独立を果たしていく」と述べた。

ショッカーの手口で国を改造[緊急事態条項]

 緊急事態条項について、ジャーナリストでIWJ代表の岩上安身氏が講話した。「メディアが取り上げないから怖さが伝わっていない。分かりやすい言い方をすれば、ナチスの手口あるいはショッカーの手口。人体改造を国家に対して行うもの」と形容。問題点として
 (1)国民全てが公権力に従わなければならない(2)現行の憲法秩序を全部一時停止することを挙げ、「憲法を1条1条改正するのでなく、全体を眠らせる。麻酔注射をお試しでどうかと問われているようなもの。政令を出して国会を通さずにつくることができ、国民は逆らうことができない」と説明。その上で、「絶対に通してはならない」と主張した。

中低所得者の生活破壊[格差&消費税]

 格差と消費税の問題については総決起集会実行委員会の植草一秀氏が、「アベノミクスは本当に一部の大企業だけが潤い、一般庶民の生活は水面下に沈んでいる。その最たる例が消費税。中低所得者層の生活が根本から破壊されていく。消費税増税の延期は当然だし、現実には税率を5%に下げることが必要」と説明した。詳論は時間の制約でカットされた。
 最後に、参加者は姫井由美子元参院議員の掛け声に合わせ、「今日の集会のこの思いを来る参院選にぶつけ、主権者が日本を取り戻すために団結して頑張ろう」
と声を張り上げた。

※続きは、メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1392号「消費税増税再延期はアベノミクス破綻の決定的証拠」で。


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・植草一秀の『知られざる真実』

 

 

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