「汐湯」を復活した地域密着型リゾートによる『再生』(前)
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(株)KPG HOTEL&RESORT 唐津 網元の宿 汐湯凪の音
「オキナワグランメールリゾート」や「長崎温泉 やすらぎ伊王島」(詳細はコチラ)など、これまでに破綻した宿泊施設を再生させてきたカトー・プレジャー・グループ(KPG)。そのグループ企業として九州沖縄地区の現場運営を任されているのが、(株)KPG HOTEL&RESORTである。高齢化と人口減少による地域経済の縮小に、多くの自治体が悲鳴をあげるなか、同社施設は、雇用を生み、地域に人を呼び込む拠点として、地元の期待を集めている。今回、訪れたのは、今年で2年目を迎える「唐津 網元の宿 汐湯凪の音」。復活までの経緯と現状から『再生』のヒントを探った。
地元の発展とともにある「再生」
「日本三大松原」の1つである名勝「虹の松原」がある佐賀県唐津市浜玉町。約5kmにわたって続く、約100万本のクロマツの林から車で約10分のところに、(株)KPG HOTEL&RESORTが運営する「唐津 網元の宿 汐湯凪の音」(以下、汐湯凪の音)がある。「汐湯」とは、その名の通り、汲んできた海水を沸かした風呂のこと。「タラソテラピー(海洋療法)の代表格である『塩浴』は皮膚疾患に効果があると言われ、別名『美人の湯』とも」(汐湯凪の音公式サイトより)。浜玉町の一帯には、少なくとも明治時代頃には塩浴の風習があったと言われている。
実は、この全国でも珍しい入浴法をビジネスにしたのは、同社が最初ではない。「汐湯凪の音」の前身は、1996年に新築された「汐湯旅館」。現在とは異なる経営者が運営していたが、経営不振により2011年11月末に閉鎖したという。その後、「老人ホーム」として施設運営を再開する案も持ち上がったが計画途中で頓挫。そして閉鎖から約3年後、同社が土地・建物を取得し、入浴施設を改装して露天風呂を設けるなどの手を加えて、14年7月2日から「汐湯凪の音」として営業を開始した。
しかしながら、一度ビジネスに失敗した土地と建物を引き継ぐわけである。あえて困難な道を選んでいるかのように思えるが、これまで数々の施設を再生させてきた同社には『再生』のノウハウの蓄積がある。現在、陣頭指揮をとる「汐湯凪の音」の高山啓二総支配人は、そのノウハウについて「地域の発展とともにあることが成功の秘訣です」と語る。
同社では事前に入念なリサーチを自前で実施し、過去の実績に基づいて分析したうえで事業として行うかどうかを決断する。「地元の方々の間で『汐湯』の復活を望む声が多かったことから、再生の可能性があると判断しました」と、高山総支配人。これまで数々の『再生』を成し遂げてきた同社への、地元の期待は大きかったのではないだろうか。
(つづく)
【山下 康太】<COMPANY INFORMATION>
唐津 網元の宿 汐湯凪の音
所在地:佐賀県唐津市浜玉町浜崎1613
TEL:0955-56-7007
FAX:0955-56-7008
URL:http://shioyu-naginoto.jp関連記事
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