原点回帰、そして今こそ必要とされる「変化」~福岡青年会議所 藤眞臣理事長(前)
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発足から60年以上の歴史を重ねる福岡青年会議所。福岡在住の21歳から40歳までの若き経営者が、福岡の街づくりにいくつもの提案を行っている。今年、新理事長として藤眞臣氏が選任され、新組織の舵取りを行うこととなった。福岡青年会議所の現状と任期中の方針を聞いた。
――理事長就任おめでとうございます。さっそくですが、会員拡大をひとつの目標に掲げられています。人口構成の問題で、企業の開業よりも廃業のほうが多いなかで、会員となり得る対象も減っていくのが自然だと思います。
藤眞臣理事長(以下、藤) バブル絶頂期には400名以上所属していましたが、今年のスタート時点で約250名。これから秋口までに拡大を図って、300名までには増やしていきたいと考えています。団塊世代の後継者がぞくぞくと40歳を迎え、これまで卒業する会員が多かったのですが、今年あたりから一段落します。
――これまでの青年会議所のイメージは経営者の2代目や3代目で、熱心にボランティアに参加されている印象があります。現在は企業の後継者というよりも、起業された方が会員となるケースが増えているのでしょうか。
藤 その傾向はあると思います。過去と比べると、明らかに起業された方の割合が多いと思います。かつては後継ぎが社外で見識を広めるために、青年会議所で活動を行うというかたちも多くありました。今はですが、自ら起業した経営者が多くなっているので、活動参画意識や目的も当然少し違うと思います。そういう意味では、環境は変化しています。とはいえ、発足から60年間、絶えず環境は変化しているわけで、前向きに変化をしていきたいと思います。
――発足からこれまで、社会背景もずいぶん様変わりしています。
藤 発足当初は戦後の焼け野原を復興しようと始まり、70年代は政治的な流れも加わり、その後ビジネスにおいても「経営者の登竜門」という意味合いも付加されてきました。そして、バブルを迎えます。現会員のなかには、バブルも、その後の不景気も経験したことがないメンバーも多くいます。過去の先輩方には数多くの傑物がいらっしゃいましたし、強力なリーダーシップで青年会議所を盛り上げてくださったことは素晴らしいことです。そんな先輩方に負けないように、私たちも成長していくことが何より必要だと思います。今は、外部環境もこの10年だけでも随分変化しています。だから、私たちは変わり続ける必要があります。入会目的も研鑽を積む場、ボランティア、社会貢献など、たくさんの目的がありますが、初めはビジネス目的での入会もゼロではないと思います。きっかけはビジネスでも、その後価値観が変化する場合もあるでしょう。
(つづく)
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