示談成立・不起訴の賃貸管理会社社長 顛末語る
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元従業員への逮捕監禁・傷害容疑で9月6日に逮捕されていた(株)ピーエムジャパンの社長・竹原虎太郎氏ら4名は9月8日、被害男性との示談が成立し釈放された。4年半前の事件を巡って4名の逮捕に至った背景やその後の経緯について竹原氏が取材に応じた。
――逮捕後2日で示談が成立した理由は。
竹原 当初から相手(被害者)はお金目当ての告発だったからです。
――そう言い切れる理由は。
竹原 コトの発端から説明しますと、事件の原因は元従業員の使い込みです。被害者は、子会社が運営する温浴施設の店舗責任者でした。その権限を利用して1年半から2年にわたって着服や横領(架空経費を計上する手口)を行っていたのです。2012年3月27日に本社へ呼び出して問いただしたところ被害金額は2,000万円を越えていました。
――そこで事件が発生した。
竹原 相手は、温浴施設のコンサル担当(着服・横領の主犯)と結託して、初めから横領目的で入ってきた(送り込まれた)根っからの悪人です。現場で上司が問いただしても、明らかに現実とくいちがう状況なのにトボけていました。そこで、ガツンとやればいくらか話が進むかも知れないと考えて手を出しました。ところが、そのあと子会社社長が冷静さを失い数回手を上げました。長年彼と付き合ってきましたが彼のそうした姿を見たのは初めてです。金額の大きさや手口の悪質さに責任を感じたのだろうと思います。
――多額の横領なのに法的手続きはとらなかったのか。
竹原 直後に刑事告訴の手続を顧問弁護士に依頼しましたが、証拠収集がたいへんで、当時多忙だったこともあり、結果的に告訴手続に至りませんでした。
――事件から4年半経過した後に逮捕に至った理由は。
竹原 被害者は翌日(12年3月28日)被害届けを提出し、その約1年後にも博多署に立件を願い出たのですが動いてくれなかったそうです。ところが、昨年3月頃、福岡県警本部4課から被害者へ突然連絡があり立件を希望したところ、岡山まで刑事が来て事情聴取が行われ、今回の捜査(逮捕)に至ったようです。
――他の嫌疑があったのでは。
竹原 状況(4年半前の、被害者の方が重大犯罪を犯している事件で逮捕)から考えてそう思わざるを得ません。どうやら反社会的勢力(暴力団)との接点を疑っていたようです。
――暴力団との付き合いはあるのか。
竹原 全くありません。私は中洲で飲食店を数店経営しています。そこに暴力団関係者が来店していたそうですが、私は知りませんでした。警察に教えてもらって初めて知ったのです。「みかじめ料」も一切支払っておりません。また、私が県外出身なのに福岡で事業をしていることも疑いをもたれた原因となったようです。これは私の地元(愛知県)では他者に排他的な面がある一方で、福岡は商人の街としてビジネスがやりやすいからです。警察の捜査網をもってすれば私が暴力団と接点がないことはわかるはずです。今回は、潔白であることを証明することの難しさを切に感じました。
――立件する見通しがあったので逮捕に至ったのでは。
竹原 県警は相手が示談に応じないという判断があったかも知れませんが、先ほど話ましたように相手は初めから金銭目的だったのです。こちらが示談の打診をしたところ、喜んで金額の提示をしてきました。
――暴力団との関係に関する疑いは解消されたか。
竹原 逮捕直後、本件と関係ないグループ会社から本件と関係ない資料の押収がありました。資金の流れを確認したかったのでしょう。また、示談手続の際に被害者から得た情報によると、県警は少なくても1年半前から内偵をしていたみたいです。おそらく電話の通話記録なども捜査していたと思いますし、どこまでやっても反社とのつながりを示すものは何も出て来なかったのでしょう。関係ないから当然です。さすがに本件捜査をもって分かっていただけたと思います。
――事件を総括すると。
竹原 正直なところコチラから見ると泥棒に追い銭を打った形です。多額の税金を使ったのに社会正義の実現とは程遠い結果です。でも、悪夢だと思って事業に専念するしかないですね。
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