理事長辞任 背任行為の全容~柳橋連合市場協同組合
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突然の理事長辞任となった柳橋連合市場協同組合。11月28日に開催された臨時総会で、組合員から疑惑の合意書について追及を受けた楠下理事長は罪を認め、自ら退任を告げた。データ・マックスは総会中の音声記録を入手。その記録からわかったことは、背任行為の全容と楠下氏が合意書への追及を避ける行動を取っていたこと。さらに合意書作成時に理事らもその場にいたということだった。
当日の臨時総会では、事前に配布された3つの議題について話し合いが持たれた。以下がその3つの議題である。
議題(1) 高口ビル横の生活道路について
議題(2) 組合事務所移転にともなう賃貸借契約書について
議題(3) (2)の契約に至る合意書についてこれまでの総会と変わりなく、楠下氏先導のもと、協議は進んでいた。急展開したのは、2つ目の議題が終わろうとしていたときである。司会を務める楠下氏は次の議題(3)に移るかと思いきや、総会を閉めようとしたのだ。組合員から「まだ議題が終わっていない」と解散を引き留める発言が飛び出した。ここから楠下氏の声のトーンが変わっていく。組合員の追及が始まった。
組合員:事務所移転についての合意書について、説明してほしい。
楠下氏:理事会の際に(ジョイフル社の)佐野氏が合意書を持ってきた。高口ビルテナント数店と(福岡天神南)振興会も移転契約が済んでいたこともあり、佐野氏が9月までに移転を決めてほしいということで、合意した。
組合員:(説明は)それだけですか・・・。事務所移転についての協議が総会で何回も行われた。6月24日にも総会が行われ、事務所移転の協議を行った。しかし、(高口ビルの)所有権移転が確認できなかったので、その日に採決できずに合意に至っていない。所有権を確認して、採決を取りましょうという話になっていたはず。最終的に8月に入ってから、組合員の異論なしということで、移転が行われた。しかし、実際の合意書には6月24日に印鑑が押されている。なぜですか。
理事長:総会での合意の前に印鑑を押した。悪かった。その時は6月末に所有権移転が行われるという見込みでやった。
組合員:これは謝って済む問題ではない。とんでもないこと。理事の方は知っていたんですよね?みなさん(その場に)いたんですよね。組合員には、話し合いだけをさせたんですね。ある意味、立ち退き強行ですよね。組合員をだまし、8月3日まで協議させた。中小企業等組合法では、これは完全な背任となります。さらにジョイフル社への利益供与にもあたる。
理事長:・・・辞任します。あとはみなさんでやってください。謝罪しようと思っていた。
組合員が理事会に対し、説明を求めたのは、組合事務所移転の合意書の日付だった。組合事務所の移転を巡っては、臨時総会が複数回開催されたのはこれまで報じた通りだ。組合として、事務所移転の総意を取ったのは8月3日だった。しかし、実際の合意書の作成日は6月24日となっており、同協同組合の印が押してある。つまり、総会での採決を待たずに合意書は作成され、ジョイフル社と取り交わされていたのである。
これが理事長退任に至る全容だ。弁解の余地はない。しかし、なぜ疑惑の合意書の存在が明らかになったのか――。それはジョイフル社が高口ビルのテナントに対し、退去を要求した調停で提出した資料の一部だった。
【東城 洋平】
▼関連リンク
・楠下理事長 背任行為により引責辞任~柳橋連合市場
・柳橋連合市場協同組合 2度目の緊急総会でも事務所移転採決ならず関連キーワード
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