2024年12月22日( 日 )

失踪中の建設会社「自称」会長 明らかになった過去(1)

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 実質経営者が会社の資金を持ち出し、消息を絶っている福岡市南区の建設会社、九菱地所(株)(松下照海代表)については既報の通りだ。連絡が取れない状況にあるのは、「自称」会長である松下宗正氏。同社が元請となり、複数の物件が施工中だが、資金流出で下請けへの支払いが滞り、いずれも工事はストップしているという。一体、宗正氏はどこにいるのか。取材過程で、同氏の過去が少しずつわかってきた。

過去にも支払いトラブルか

 関係者への取材で、4年前に作成された2枚の文書がみつかった。その文書とは宗正氏が作成したとみられる「念書」と「誓約書」で、支払先A社と交わされたものだ。

念書

誓約書

ジャパン・ビルド法人登記

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 宗正氏が代表を務める(株)ジャパン・ビルド(所在地:福岡市博多区比恵)が、過去に下請業者に対し支払遅延を起こしていたことを示すもの。宗正氏が九菱地所とは別の法人の代表を務めていることも判明した。

ダイワビルド法人登記
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 文書は取引先A社に対し、約1,120万円の未払いがあり、その返済を約束したものだ。その後、無事完済したかどうかは、A社の存在が確認できなかったため、はっきりしなかった。しかし、今回と同じように下請業者への支払を滞らせていたのは事実のようだ。

 また、上述のジャパン・ビルドとは別に、(株)ダイワビルド(所在地:福岡市中央区谷)という会社の代表を務めていることもわかった。関係者によると、宗正氏本人から別会社の話は聞いておらず、双方とも実質稼働はしていないという。

 過去の支払い遅延、休眠状態の別法人の存在。関係者も知らない事実が次々に判明している。

 

【東城 洋平】

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