2024年12月23日( 月 )

福岡市の不動産業者 「専任」宅建士不適格で宅建業法違反の疑い

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 福岡市の不動産業者において、宅建業法違反の疑いが浮上している。疑惑の業者は福岡市中央区谷に本店を置く(株)トレスクリエイトプラス(野田将宏代表)(以下、トレス社)。

 別取材で、トレス社を調査した結果、宅建業者が設置を義務付けられている専任の宅地建物取引士(以下、宅建士)に不適格な人物が登録されていることがわかった。

 さらにトレス社は2013年5月に宅建の県知事免許を取得しているが、免許取得時にも同じく不適格な人物を専任として設置していたこともわかっている。

 「不適格」と表現するのは、専任性が問われるところにある。

 宅地建物取引業法では、宅地建物取引業者に専門家としての役割を十分に果たさせるため、営業を行う事務所に専任の宅建士の設置を義務づけている。とはいえ、有資格者であれば誰でもいいわけではない。

 専任の宅建士とは、宅地建物取引士試験に合格後、宅建士資格登録をし、宅建士証の交付を受け、事務所に常勤し、専従している宅建士のことをいう。問われるのは、その「専任性」である。つまり、別会社の常勤者は無論、兼任できないのだ。

 トレス社は開業前の免許取得時の申請において、代表者とは別の建設業の個人事業主を専任の宅建士として登録していた。その後、変更されているが、新しく登録された専任の宅建士もまた別会社の代表取締役(常勤)であることが判明している。いずれも組織上、代表者は一名のため、宅建業法の求める「専任性」を満たさない。

 トレス社代表が宅建資格を持たないために、有資格者の名義を借りて開業し、営業していると推測される。次項で詳報していく。

【東城 洋平】

 

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