2024年12月23日( 月 )

【2017衆院選・福岡】『勝負あり』か~「希望なく、絶望」の世論調査で見えた選挙結果

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 新聞各社、世論調査の結果が出始めた。各調査は同じ傾向を示している。「自民党単独過半数は確実で、270~300議席を狙う勢い。希望の党は伸び悩み、立憲民主党が躍進」といったところか。はっきり言って、今回の選挙はすでに終わった。終わらせたのは誰あろう、希望の党の小池百合子代表と、民進党代表の前原誠司氏だ。政権交代を目指していた野党陣営からすれば「戦犯」ともいえる両氏がこの短期間に繰り広げた醜態は、野党に対する国民の信頼をとことん失わせた。

 第2自民党であるところの希望の党の狙いは結局、自民党を勝たせることだった。もう、そう断言していいだろう。前原氏がその狙いに乗ったかどうかの判断は、ここでは置く。「だまされた」という見方もあるが、誰が見てもウルトラ右翼の小池氏の罠にハマったとすれば、それはハマった奴が悪いのだ。政治の世界では、騙した人間が評価され、騙された人間は淘汰される。これで、前原氏に政治家としての資質、ましてや政権交代を担うだけの力量もないことがはっきりした。そのことだけが、今回のドタバタ合流劇の収穫だった。そういえば前原氏は「公家」顔、さらに「家元」顔だ。どうか政界を引退していただき、故郷の京都で日本舞踊でも教わりながら一生踊り・踊らされ続けてほしい。もっとも、革新の牙城・京都に氏が戻る場所があるかどうかは定かではないのだが。

 世論調査では、若年層で自民党・内閣支持率が高いことも明らかになった。求人倍率の好調さに代表される現状への、「とりあえずの信任」が背景にあると思われる。若者たちの政治認識の未熟さや社会問題への無関心さを批判することはできない。本来ならば自由な発想と行動力で未来を変革する力を持つはずの若年層に対して、野党が理念を届けられていないことが問題なのだ。彼ら彼女らに届く言葉で、権力闘争ではない真の政治(理念)と未来像をどれだけ示せているのか。

 冒頭、「今回の総選挙は勝負あり」と書いたが、政治の世界は「一寸先は闇」ともいう。一寸先に闇ではない光や本物の「希望」が待っている可能性がまったく無いとは、じつのところ言いたくない。ぜひ、政局ではなく各政党の政策や公約をしっかりと比較・吟味して、後悔のない選択をしてほしい。お定まりの締め文句になってしまって恐縮なのだが、そんな地味な作業こそ本当の民主主義を取り戻す営みなのだと信じている。

【総選挙取材班】

 

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