震度、マグニチュード、震源~地震の専門用語を知っておけば避難の役に立つ
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平成28(2016)年熊本地震をはじめとする一連の地震で、多くの専門用語がメディアを飛び交っている。東日本大震災の記憶はまだ新しく、そうした用語は理解していると思いがちだが、実は誤解していることも多い。正確に状況を把握するための一助として、主な用語について簡単に説明する。
まず震源と震央の違い。今回の一連の地震の場合、断層の横ずれが起こった場所が震源であり、これは地下にある。そこから垂直に線を伸ばし、地表と交差する地点が震央。たとえば熊本地方、阿蘇地方だけなら震央のこと。熊本地方の地下11キロ、といえば震源になる。
地震はいうまでもなく地面が揺れることだが、その揺れには2つのタイプがある。最初に縦の小さな揺れである初期微動(P波)、これに大きな横揺れの主要動(S波)が続く。初期微動が始まって主要動がくるまでの時間を初期微動継続時間(P-S時間)といい、震源からの距離に比例する。つまり初期微動継続時間が短いほど震源に近いということだ。
マグニチュードは地震の大きさを表し、それは計算によって求められる。計算式は難しいので覚えておく必要はないが、マグニチュードが1上がると地震のエネルギーは約32倍、2上がると約1000倍であり、段階的ではなく、爆発的に膨れ上がっていくと理解しておけば何かの役には立つだろう。これまで日本で記録された地震のうち、最大は東日本大震災のマグニチュード9・0.1900年以降で最大は1960年にチリで観測されたマグニチュード9.5だ。
マグニチュードと違い、震度に明確な計算式はない。気象庁が発表している計測震度はあくまでも気象庁独自のもので、世界標準ではないのだ。従来は体感や状況によって決められていたが、1996年4月以降は計測震度計で観測し速報されるようになっている。震度は揺れの大きさであって、マグニチュードと必ずしも連動しない。マグニチュードが大きくても地盤が強ければ震度は大きくならないし、その逆もある。同じマグニチュードでも場所によって震度が違うのはこのため。気象庁の震度階級は「震度0」「震度1」「震度2」「震度3」「震度4」「震度5弱」「震度5強」「震度6弱」「震度6強」「震度7」の10階級。それぞれの状況は気象庁などがHPなどで公表しているので、それを知っておけば避難の役に立つ。
【平古場 豪】
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