2024年11月25日( 月 )

アビスパ シュートの精度向上を!

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avispa J1のアビスパ福岡は5月4日、リーグ戦1stステージ第10節大宮アルディージャとホームのレベルファイブスタジアムで戦った。結果は、2−1で敗れた。これによりアビスパは、現在リーグ戦1stステージ1勝5敗3分勝点6の最下位(18クラブ)となっている。

 前節の4月29日にアウェーでFC東京に1-0でリーグ戦初勝利を挙げて、上昇機運が高まったところでホームでの今期“初勝利”が期待されたが、叶わなかった。

 同じJ2からの昇格組の対戦として注目された一戦であった。アルディージャは、1stリーグ戦5試合にナビスコカップを含めた今期公式戦9試合で負けなしの、上々のコンディションで登場。結果として公式戦10戦連続負けなしとなった。リーグ戦順位は、5勝2敗3分勝点18の5位につけている。現在のアビスパとの差は何か?

アルディージャのゴール前に迫るアビスパ<

アルディージャのゴール前に迫るアビスパ

 開始早々からアビスパは、積極的にミドルシュートを放つなど、貪欲に得点を狙いにいく。サイドからの切り崩しや守備からのカウンターなど、果敢に攻撃を仕掛けていたが、アルディージャの堅守に阻まれた。逆に開始15分にアルディージャに先制点を許す。アビスパのゴール前で、GKのイ ボムヨン選手がクリアしたボールを逃さなかった。アビスパも攻め続けるも得点には至らず前半終了。

 後半の開始早々の48分にアルディージャに追加点を許し2-0。苦しい局面のなかアビスパは、61分にFW金森健志選手が今期初得点を決めて2-1。このゴールでアビスパの攻撃に勢いが出て、63分FW平井将生選手、76分MF中原秀人選手、84分中原貴之選手がピッチに入り、再三ゴール前に迫るも得点には至らずタイムアップ。

 アビスパの失点シーンは、守備のミスからであった。これは原因が明確なので、そう深刻ではない。試合を通じてアビスパの堅守は不動だ。Jリーグの発表のデータによると10節終了時で、1試合平均の失点は1.22。群を抜いているわけではないが、J1の水準だ。一方で、攻撃は現状厳しい。1試合平均の特典が、0.67(アルディージャは、1.2)。現在のアビスパの総得点は6。リーグトップは、川崎フロンターレの20。アビスパは、この得点への課題が露呈している。

左からキム・ヒョヌン選手と城後寿選手<

左からキム・ヒョヌン選手と城後寿選手

ゴールを守るイ・ボムヨン選手<

ゴールを守るイ・ボムヨン選手

 プロの選手に対して失礼かもしれないが、ゴールマウス付近の枠に近いシュートが少ない。正確な数字は捉えていないが、ゴールマウスの枠から外れているシュートが目立つ。これは守る側から見れば、あまり脅威ではない。アビスパは、ウェリントン選手を中心とした攻撃布陣であることは確かだが、それ以外のオプションもある。しかし得点力不足が現時点のアビスパの順位を反映させている。どうすれば良いのか? 各人のシュートの精度を上げること以外ないだろう。誰が?どの選手?でなく、全員である。アビスパの持ち味は、ハードワークを起点にした『全員守備・全員攻撃』のチーム一体となったゲームマネジメントだ。

 一部の間で、アビスパの選手起用について批判するコメントが散見されるが、全くの見当違いだ。プロの世界での選手の起用は、監督の専権事項である。井原正巳監督は、対戦相手位に応じそして各選手のコンディションを細かくチェックしながらセレクションしている。よって一番選手のことを分かっているのは井原監督であり、その起用に対して物申せるのは井原監督本人だ。結果責任も井原監督が負う。就任以来、一貫して勝利時は選手・スタッフとサポーターのおかげとし、敗戦時は井原監督自身の力量不足とする姿勢がある。

 ただし、課題の克服のためのトレーニングを、アビスパのトップ選手全員が実践し、厚みのある選手層を構築することは急務である。次節は、中3日の8日アウェーのベガルタ仙台戦。アビスパの得点量産を期待したい。

【河原 清明】

 

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