アビスパ 再三の好機もドロー
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J1のアビスパ福岡は、6月2日にリーグ戦1stステージ第7節を名古屋グランパスとホームのレベルファイブスタジアムで対戦。結果は、0-0の引き分けであった。アビスパは、2勝8敗4分の勝ち点10で、最下位は変わらず。この試合は本来、4月17日に開催予定であったが、熊本地震の影響で延期となっていた。前節(5月29日)にサンフレッチェ広島に4-0と完敗し、中3日を挟んでの試合。アビスパの強みである守備がどれだけ修正されているかが、注目されていた。
試合開始早々から、アビスパは積極果敢にグランパスのゴールへ攻め込み、得点のチャンスを幾度もつくっていた。チャンスの演出は行われたが、グランパスの守備陣の健闘もあり、ゴールネットを揺らすことはできなかった。一方の守備は、アビスパ得意の全員守備が徹底されて、グランパスに対しほとんどチャンスらしい機会を与えることなく堅守を保ち、前半が終了。
後半もアビスパは、前半同様に波状攻撃を仕掛け、何度もグランパスゴールに迫った。だが、元日本代表GK楢崎正剛選手の好守と的確な守備陣へのコーチングで、シュートを封じ込められた。
振り返ってみると、試合自体は、終始アビスパが主導権を握ったゲームとなった。リズムとテンポが良好で、アビスパが圧倒していた。しかし、グランパスのゴールを割ることはできなかった。ボールポゼッションが高く、選手間のコミュニケーションも円滑で、再三好機をつくっていたが、パスやトラップなど、単純なミスによってグランパスにボールが渡ってしまったシーンが散見された。細かなプレーの精度をより高めていくことが、急務であろう。
守備に関しては、いつものアビスパらしい堅守によって、試合を通してグランパスにチャンスらしいチャンスを与えることのない、素晴らしい守備を披露した。前節のサンフレッチェ戦の敗戦の原因を修正していた。何よりもアビスパイレブンのハードワークが90分間継続していたことは、明るい兆候である。ただ今回の試合は、アビスパが勝利を獲得できたはずの試合であった。全員守備、全員攻撃を徹底しハードワークが実践されていた。しかし結果はドロー。一言で表すと、もったいない試合だった。
アビスパの試合へ挑む姿勢は、素晴らしかった。90分間心身を張った攻守は、今後の戦いに期待を持つことができる。一方で、細かなプレーのエラーが、せっかくの好機を逃している原因であろう。プロフェッショナルの選手に向けて申すのは失礼であるが、基本プレーを今一度見直し、精度をより高めて持ち前のハードワークを活かしていただきたい。
今後も厳しいスケジュールであるが(8日ナビスコカップ アルビレックス新潟戦、11日リーグ戦15節ヴァンフォーレ甲府戦)、ハードワークで圧倒するアビスパのフットボールで勝ち星を積み上げていただきたい。【河原 清明】
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