九州地銀(18行)の株価低迷
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6月に入って、九州地銀の株価が低迷している。【別表】の九州地銀(含むFG)の株価推移を見てもらいたい。九州地銀(18行)のうち、上場はふくおかFG(3行)、九州FG(2行)、北九州銀行(山口FG傘下)と、大分銀行や宮崎銀行など単独行11行の計16行。ただ、東証上場株は値動きがあるものの、福証単独上場の銀行株は薄商いであるのがわかる。
上場区分
(1)東証・福証上場
・ふくおかFG(福岡銀行・熊本銀行・親和銀行)
・九州FG(肥後銀行・鹿児島銀行)
・北九州銀行(山口FG傘下)
・大分銀行・宮崎銀行・十八銀行・佐賀銀行・西日本シティ銀行(2)福証上場
・福岡中央銀行・筑邦銀行・宮崎太陽銀行・南日本銀行・豊和銀行<この表から見えるもの>
2016年3月31日の終値に比べて、今月10日の終値が上回っているのは、佐賀銀行の231円(前期比+19円)、西日本シティ銀行の207円(同比+8円)十八銀行の252円(同比+2円)、宮崎銀行の275円(同比+1円)、宮崎太陽銀行の178円(同比+1円)の5行だった。一方、大きく値下がりしているのは、九州FGで529円(同比▲120円)。次が大分銀行の309円(同比▲42円)。続けて福岡中央銀行の348円(同比▲33円)。筑邦銀行は商いはなく、8日の終値225円(同比▲15円)。そして南日本銀行の145円(同比▲12円)、豊和銀行の73円(同比▲9円)。値を下げてはいるものの、何とか踏みとどまっているのはふくおかFGで362円(▲5円)。値下がりは、計7行(含むFG)だった。
<来期の収益予想について>
日銀のゼロ金利政策に続き、今年1月29日から新たにマイナス金利政策が導入されたことから、銀行の17年3月期の当期純利益予想はすべての銀行で前期比マイナス予想となっている。
九州FGは16年3月期決算で、当期純利益は1,084億円(うち負ののれん発生益884億円の特別利益を含む)を計上。九州地銀のなかではダントツの収益となったが、17年3月期の収益予想は未発表となっており、熊本地震の影響は深刻と言えそうだ。九州地銀18行のうち、来期の当期純利益予想が前期比マイナスではないのが、佐賀銀行の1行だけとなっている。もっとも、厳密に言えば前期比▲4,200万円(▲1.3%)だが、他行は大きく減益予想となっているなか、前向きな決算予想となっている。そのためなのか、10日の株価は231円(前期末比8.9%増)となっているが、はたして目標通りとなるのだろうか。
ふくおかFGの当期純利益予想(17年3月期)は400億円(前期比▲47億円)、西日本シティ銀行は230億円(前期比▲39億円)となっており、目標通り着地するかどうかが、他の地銀の収益予想の目安となりそうだ。
【北山 譲】
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