出来レース? 福岡市教委の第3給食センター用地選考に疑惑浮上
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福岡市教育委員会が整備を予定している第3給食センター(仮称)の用地の公募を巡り、不透明な選考が行われた疑いが浮上した。市教委は適切に処理したと主張しているが、その過程には疑問が残されたままとなっている。
16日の市議会定例会で中山郁美議員(共産)が質問した。市教委は第3給食センターの用地取得にあたり、昨年9月に財政局から「選定過程における透明性の確保」という通知が出されたことを受け、初めて公募で実施。今年3月に総合建設業などを営むアスミオ.(株)(本社:福岡市西区)ともう1社が西区今宿青木に所有する山林(2万6,502平方メートル)に決まった。これについて、中山議員は「公募の前からアスミオ.に決まっていたのではないか」と質問。公募が開始される1年前に市教委幹部がアスミオ.の社長と用地に関して面談していたと指摘した。
公募は昨年12月から今年2月にかけて実施し、アスミオ.と不動産業者の2者が応じた。応募要件にはエリアが設定されているが、不動産業者についてはエリア外だった。市教委はエリアから近いので問題ないと判断したとするが、中山議員によると「不動産業者は、公募を要請され、エリア外だからと一度断ったが問題ないからと市教委に説得されたそうだ」という。不動産業者が提出した土地は農地だったため、審査委員会が転用できないと判断し落選。アスミオ.側の土地は約6億3,000万円との見込み評価額が示され、建設予定地に決まった。
不動産業者に対し、市教委は評価額を示さなかったという。市教委は中山議員からの情報公開請求に対し価格の公開を拒んでいたが、16日の市議会定例会で参考価格として約2億1,450万円だったと答えた。アスミオ.よりも4億円安いが、不動産業者が落選した理由について市教委はあくまでも「農地転用ができなかったから」と主張を変えなかった。
中山議員が「高島市長はアスミオ.を知っているのではないか」と質問すると、高島市長は「市長選の際にあいさつで訪問した」ことを認めたものの、個人的な関係については否定した。市教委は「公正かつ客観的に評価して土地を選定した」と繰り返したが、中山議員は「公募前にアスミオ.と面談した市教委幹部が選定委員会の委員になっているなど、不審な点が多すぎる」として、議長に対し特別調査委員会の設置を求めた。
【平古場 豪】
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