アビスパ最下位、サポーターの声など
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J1のアビスパ福岡は、リーグ戦2勝9敗4分勝ち点10の最下位である。1stステージは残り2試合。J2降格圏内からの脱出が実現するか注目される。
開幕当初からアビスパが厳しい戦いを強いられることは、各方面で述べられていた。アビスパの井原正巳監督も現状を冷静に分析し、J1で戦える準備をして挑むという旨の表現をしていた。J1に残留することはもちろんのこと、中堅の順位を視野に入れていることは理解できる。本来なら「J1リーグ制覇」と謳いたいところであるが、大風呂敷を広げることなく、着実に進化していくことを構想しているのである。リーグ戦に突入してからは、想像以上に苦戦が続いている。特に浦和レッズ、ガンバ大阪、サンフレッチェ広島…。J1王者の経験したクラブとの戦いは、圧倒されたという論評が一般的であるが、全く歯が立たないというものではないというのが筆者の見方だ。Jリーグの選手は、プロフェッショナルだ。要するにわが国のサッカー界の頂点に位置するカテゴリーだ。要するに選りすぐりの人物が、Jリーグのクラブに所属している。若干の差はあっても、サッカーのテクニックおよびスキルにおいては各人とも大差はない。一部のプレイヤーのスペシャルな技量を除いては、皆実力はそう変わりはない。では、レギュラーとそうでない選手の差は何かと問われれば、各選手の日頃の準備の周到さである。その点で、差が出てくる。
次に順位が上位とJ1降格圏内に位置するクラブとの差は何だ?と問われると経験ではないだろうか。わが国最高峰のJ1で常に年間王者を目指ししのぎを削っている経験は、何物にも代えがたい。「それはアビスパには無理だろう」という声が上がるだろうが、それには異議を唱える。1993年にJリーグが創設されて以来年間王者になったクラブで、J2に陥落したことないクラブは、鹿島アントラーズ、横浜Fマリノス、名古屋グランパスのみで、それ以外は前述したクラブも含めJ2に陥落した経験を持つ。特に、浦和レッズとガンバ大阪は過去『Jリーグのお荷物』などと揶揄されるなど、厳しい時代があった。その厳しい時代を乗り越えて、現在はJリーグ有数のクラブとして、毎シーズン優勝争いの中で戦っている。
なぜか?サポーター、ファンがどのような状況でも応援し支え続けたからだ。一部過激なサポーターやファンによる非人道的な行為などで問題になることもしばしばだが、総じて『皆で支えて応援しよう』とする機運が常にある。そのサポーターやファンの支える力に応えるべく、「フロント側とフィールド側が一体となった取り組みを地道に実践してきた」と、浦和レッズ、ガンバ大阪、サンフレッチェ広島の各サポーターから複数のコメントを受けた。そして、クラブとサポーター、ファン、スポンサーなどの支援する方々が一体感を持って着実に地域に根ざしたクラブとして、秀逸な成果を上げている。現在のアビスパも似た環境にあるように思える。アビスパ創設以来からのサポーターの方々は、「確かに今の成績は、目を覆いたくなる。J2に落ちないか不安もある。それでも応援する。それは、井原監督と選手の皆さんが厚い信頼関係を築いて、真摯に戦っているから。井原監督は、勝てば選手とサポーター、ファンの皆さんのお陰、負ければ私の責任と必ず明言する。そして時間のある限りファンサービスに参加してくださる。名選手でありながら常に謙虚に誠実な姿勢である。選手のコメントにもそれが表れている。それをサポートする川森社長はじめフロントの社員の方々も日々汗水流して活動されている。今は厳しい状況だが、続けていけば必ず成果は出る。過去の“ドタバタ”が起こらないように、サポーターも支え続けたい」と異口同音に述べている。「全く話にならない。またJ2に落ちてそのままだろう」という厳しい見解のサポーターも存在する。それは否定しない。但し、アビスパの選手はいつも熱き眼差しで戦いに挑んでいる。試合終了まで諦めない姿勢は鮮明である。それは、スタジアムに来場すれば分かることだ。
6月18日は、1stステージ最後のホームゲームである。対戦相手は首位の川崎フロンターレ。キックオフは19:00。多くの方々にレベルファイブスタジアムにお越しいただきたい。
【河原 清明】
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