アビスパ 最下位決定も価値あるドロー
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J1のアビスパ福岡は、6月18日にリーグ戦1stステージ第16節川崎フロンターレとホームのレベルファイブスタジアムで対戦。結果は、2-2の引き分け。この結果でアビスパは、2勝9敗5分勝ち点11となり、1stステージの最下位が決まった。
一時雨の降る中にもかかわらず、1万8,226人の観客が来場した。キックオフ早々から、アグレッシブな攻撃で川崎陣内に攻め込むアビスパは9、15分にFW金森健志選手がゴールを決めて、2-0とゲーム序盤でリードする展開。守備面でも猛烈に攻撃を仕掛けるフロンターレに対して、得意の全員守備でブロックし、好守を見せるアビスパ。そのなかでも、42分アビスパ守備ラインの背後に素早いパスが供給され、そのパスからループシュートにて得点を献上。前半は、2-1で終了。
後半は、豊かなスピードを誇るフロンターレが試合の主導権を握り、サイドと中央のスペースを存分に使い、長短のスピード感あふれるパスにて攻撃のテンポとリズムが作り出され、再三アビスパのゴールへシュートを放つ。それでもアビスパは、GKイ・ボムヨン選手のファインセーブをはじめとした、守備の健闘で得点を許さなかった。しかし、72分に“不運な”ペナルティからPKを与えて得点され2-2の同点となった。その後も、フロンターレが圧倒する攻撃でアビスパゴール前に迫るも守り切り、そのままタイムアップ(Full time)。
リーグ戦首位であったフロンターレが圧倒するという戦前の予想を大きく覆し、果敢な攻守を披露したアビスパ。アビスパの持ち味であるハードワークを倍増させたパフォーマンスで、前半早々に2得点してさらに個々へ厳しいチェックを仕掛け、組織での守備にて堅守を見せた。だが、前半得点を献上する前後からアビスパの運動量がやや落ちだしてきたのが見えてきた。後半はほぼ防戦一方となり、攻撃面では積極果敢に仕掛けるも、決定機を作れることがなかった。大島僚太選手、小林悠選手、大久保嘉人選手の新旧日本代表を擁する布陣で、アビスパの約2倍の15本のシュートを放つなど、強力さが際立っていた。その強力布陣の首位であったフロンターレに対して、勝利も見えたアビスパの戦いぶりは“健闘”と表現するのは失礼で、何ら遜色ない。ただし、不用意な横パスやバックパスを奪われて、フロンターレにチャンスを与え、ゴールを脅かされたことは反省材料だろう。さらに持ち味であるハードワークも存分に発揮できたものの、これから上位に進出するためには、まだまだフィジカル・フィットネスとも質量ともに向上させる必要があることが、このフロンターレ戦で明かされた。それでもリーグ戦首位であったフロンターレに対し、勝ちに等しい戦いぶりを見せたアビスパは、讃えられるべきだ。なぜならこの試合は、“オールアウト”の感があったアビスパであるが、その経験が今後に活かされる。2ndステージに向けて価値あるドローであったと言えよう。
1stステージの17節最終戦は、アウェーで現在首位の鹿島アントラーズだ。過去のリーグ戦の対戦成績は、1勝14敗1分で、その1勝は、10年前の2006年J1第26節だ。中村北斗選手、城後寿選手はその試合を経験している。再び下馬評を覆す戦いを心より期待したい。
【河原 清明】
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