全力で支援を続けるとともに教訓化することが肝要
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一般社団法人 九州住宅産業協会 理事長 諸藤 敏一 氏
福岡県を中心とした九州地方の住宅供給およびその関連事業の企業により、国・地方公共団体の住宅・宅地政策に協力すること。さらに宅地の円滑な需給を図るため、宅地政策を促進し、宅地造成および住宅建設等に関する事業の健全な発展を図り、社会福祉の増進に寄与することを目的とする一般社団法人九州住宅産業協会(九住協)。諸藤敏一理事長は、2016年4月に発生した熊本地震に対する継続支援と、この地震から業界として教訓化する肝要さを語った。
自然災害に備えること
2016年6月現在148社の会員により構成される一般社団法人九州住宅産業協会(九住協)。今回発生した熊本地震において、同協会の会員企業のなかで、甚大な被害を被った会員はなかったが、施工中の物件にて工事の中断が発生したケースが起こった。
地震などの自然災害の発生時のリスクを想定し、災害発生時の工事コストの負担などを、請負工事会社との契約を詳細に検討しながら、リスクを回避した契約を締結した。だが、今回の熊本地震においては道義的な側面から、事業主側も負担するように協議している最中である(民法上、事業主の負担はない)。
過去、阪神大震災(1995年1月17日)、東日本大震災(2011年3月11日)の甚大な被害を受けた近畿、東北および関東地方のゼネコンを始めとする建設関係の企業は、施工を行う際に別途地震保険に加入して、リスクに備えている企業が多数占めるが、九州地方においてはその備えはほとんどないという。
「九州では、地震の発生がほとんど起こらないという説が圧倒的で、また保険の掛け金も通常のリスク(工事中の人的ミスによる事故など)回避の保険よりコスト高であることから、加入しないケースが多数です。今回の熊本地震発生により、以降は九州地方の建設業界各社施工時のリスク回避の一環で、地震保険に加入する流れになってくるでしょう」(諸藤敏一理事長)と、九州地方の建設業界にとって熊本地震は自然災害に対する向き合い方において、教訓になったという。
地震の経験を教訓とする
同協会は、熊本地震に対して1,200万円の義援金を送るなど、支援活動を実施する。
「熊本県は、協会会員の多数がお世話になっている地域です。地震によりご逝去された方々に心より哀悼の意を表し、被災された方々にお見舞い申し上げるとともに、1日も早い復興を願っております。そして引き続き協会で支援させていただき、地震をはじめとした自然災害に強いマンション・戸建住宅を供給できるために日々尽力していく所存です」(諸藤理事長)と、同協会一丸となって熊本復興への支援を続けるとともに、自然災害に対するリスク回避を教訓に、自然災害に強い住宅の供給に向けたソフト・ハード両面とも進化・改良させていく。【河原 清明】
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