金融再編待ったなし~九州の信用金庫(4)
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1.九州の地銀・信用金庫について
下表(1)の通り、地方銀行が18行(うち第二地銀7行)。信用金庫が28の計46となっている。人口が510万人と一番多い福岡県は13(地銀5・信金8)。次が宮崎県の7(地銀2・信金5)。以下佐賀県・熊本県の6(地銀2・信金4)。大分県・鹿児島県の5(地銀2・信金3)。長崎県の4(地銀3・信金1)の順となっている。
<この表から見えるもの>
◆特に目を引くのは九州7県のうち、人口が83万人と一番少ない佐賀県に信用金庫が4つもあることだ。表には出ていないが一金庫当たりのパーヘッドは208千人と最少。次が人口110万人と二番目に少ない宮崎県の221千人。この両県については、まさに「金融再編待ったなし」の状況といえよう。以下大分県(389千人)、熊本県(447千人)、鹿児島県(550千人)、福岡県(638千人)、長崎県(1,377千人)となっている。
◆長崎県には地銀3行(十八・親和・長崎)に対して、信用金庫はたちばな信金だけしかなく、他県とは違う構図となっている。しかし十八銀行は来年4月にふくおかFGと経営統合し、2018年4月を目処に親和銀行と合併する予定となっており、最終的に長崎県は第一地銀・第二地銀・信金が各1となる。経営基盤の弱い信用金庫がこの態勢で生き残れるかどうかは微妙だが、いずれにせよ今後予想される金融再編のモデルケースの一つとなりそうだ。2.九州地銀・信用金庫の各県別預金残高について
下表(2)を見ていただきたい。九州の信用金庫(28)の預金残高合計は4兆8,643億円。一方地銀の預金残高合計は41兆4,841億円となっており、信用金庫のシェアは一割しかないのだ。人口の減少と地域経済の縮小が続くなか、マイナス金利の影響による資金利ザヤの縮小が追い打ちをかけており、信用金庫にとっては今後更に厳しい経営が続くものと予想されている。<この表から見えるもの>
◆佐賀県における信用金庫の平均預金残高は957億円。宮崎県は975億円。全体平均の1,737億円のほぼ半分しかなく、この数字からも「金融再編待ったなし」の赤信号が点滅しているといえよう。
◆信用金庫のシェアが高いのは大分県の18.4%で、次が鹿児島県の17.3%。大分県では大分みらい信金、鹿児島県では鹿児島相互信用金庫が、それぞれ地元地銀を相手に存在感を示しているからだ。
◆深刻なのは長崎県にただ一つしかないたちばな信用金庫。預金残高は1,098億円と平均の半分強しかなく、生き残りを賭けて県境を越えた広域合併の道を模索するものと見られている。(つづく)
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