2024年12月22日( 日 )

「新たな世界企業を創る」をビジョンに掲げ、ウェディング業界で快進撃続ける(後)

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アイ・ケイ・ケイ(株)

海外も視野に新たなビジョンを策定、口コミでの好循環サイクルも構築

 同社はこれまで掲げていたビジョンに加えて、昨年11月に新たにビジョン2035「一人ひとりがリーダーとして数多くの分野から選択・挑戦し新たな世界企業を創る」を掲げた。これにともない16年から採用テーマを「INNOVATION for LIFE~新たな一歩が、世界を変える~」に変更。新たな世界企業を創る気概を持ち、自らと周囲を革新していくことができる人財を求めている。

 また、これまでの主力であったウェディング事業に加え、同事業で培ってきた強みを別の業態でも発揮することにも注力。新たに目を向けた事業の1つが、介護事業だ。13年の住宅型有料老人ホーム「アイケアレジデンス伊万里」を皮切りに、14年には「アイケアレジデンス佐賀」を、15年には介護付き有料老人ホーム「アイケア東唐津」をオープンさせた。社会的にも介護施設の需要は高く、3施設すべての施設が満床だという。今後は既存施設の利用者満足度を高めていきながら、事業の拡大も視野に入れている。

 ウェディング事業では、新たに海外展開を視野に入れている。手始めに主軸をインドネシアに定め、現地法人設立に向けて一歩を踏み出した。インドネシアは、平均年齢が29歳前後と若く、親日的で結婚式の文化が根付いている。インドネシアの結婚式1組あたりの売上高は日本の半分程度だが、市場の成長性も期待できるため、勝算ありと見込む。昨年2月に現地で9名を新卒採用し、すでに日本国内で研修を開始。同社の理念に共感し、意欲の高い若者を選抜し、教育をしっかりと行うことで、インドネシア進出への基盤を固めている。目標はインドネシア市場への上場と掲げ、着々と準備を進めている。

「ララシャンス博多の森」内にあるチャペル<

「ララシャンス博多の森」内にあるチャペル

 同社では好調の要因を、しっかりとした「ブランド構築」と「高レベルの料理」、そして「立地戦略」の3つが功を奏したものと見ている。そのうち、立地戦略の成功例が、開業12年目の13年に過去最高(自社比)の挙式組数を達成した「ララシャンス博多の森」だ。福岡空港から車で5分の好立地で、さまざまな運動施設が整備された緑あふれる公園に隣接。12年かけて育った森が敷地内の建物と調和し、心癒される空間を生み出している。同社は出店する際、20年以上その地域で愛され続ける施設にできるかどうかという点を判断基準の1つとしている。建物と違い、自然環境は時間が経つほど豊かになり、建物を含んだ周辺環境の魅力向上につながる。その点が強みとなり、好調な業績につながっている。
 また同社では、一番の強みは利用者の口コミだと考え、同社の結婚式への参加者が感動し、「自分もこんな結婚式がしたい」と思ってもらうことで成約につなげる。そうした好循環サイクルをつくり出すことに注力している。

 今後、気がかりなのは社会的に進む少子化だが、ウェディング市場は25年まで1兆円規模を保持すると見られている。初婚年齢の上昇にともない、単価が上昇しているからだ。その点では、人とのつながりを重視する地方都市へ出店しているのも同社の強みとなる。
 今後とも同社は、新たな世界企業を創る気概で、さらなる快進撃を続けていくことだろう。

(了)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:金子 和斗志
所在地:佐賀県伊万里市新天町722-5
設 立:1995年11月
資本金:3億5,064万円(2015年10月期)
TEL:050-3539-1122
URL:http://www.ikk-grp.jp/

<プロフィール>
kaneko金子 和斗志
1952年、佐賀県生まれ。伊万里市で携わっていたホテル事業から婚礼事業に転換。2000年からゲストハウスウェディング事業を展開し、現在14都市16店舗を展開している。インドネシアでの海外展開を視野に入れている。2013年には介護事業にも進出し、現在3施設を運営。

 
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