東ヨーロッパには何があるのだろう(10)
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市民の自慢、ゴシック建設の傑作「ペルクーナスの家」
「ペルクーナスの家」は、15世紀にハンザ同盟時代の商人によりつくられ、その後、イエズス会の所有になったゴシック建築の傑作である。手前を流れるネリス川の氾濫で、過去に複数回、建物に水が浸入しかかったことがある。今は図書館として使われている。
山のないリトアニアでは、丘の上か、水に囲まれた中州や湖上の島に城をつくるのが普通だ。だが、時と場合によっては、護ってくれるはずの水が、一変してとんでもない敵となる。平地を流れる川の氾濫は、ゆっくり始まりゆっくりと終わる。じわじわ増える水が、川辺に建つペルクーナスの家を襲ったのは、一度や二度ではない。ネリス川の水位は、ときには8m近くも上がるのだという。もっとも、そこまでの洪水は滅多にあるものではない。
ちなみに、一神教の神の軍隊がここに来るまでは、地元の神「雷神ペルクーナス」の神殿があったらしい。
杉原桜記念公園
ネリス川沿いに、第二次世界大戦中に6,000人ものユダヤ人の命を救った外交官・杉原千畝の功績を記念してつくられた公園がある。杉原の出身大学がつくったこの公園には、杉原夫人たちによって植えられた250本の桜があり、春にはその花を咲かせる。
公園の前にはナリス川が流れ、その河川敷は豊かな緑が続く。天気の良い日には、水着の市民が日光浴を楽しむ。訪れたこの日も、何人かが日光浴を楽しんでいたが、日本ではまず目にしない河畔での水着女性の日光浴には、いささかびっくりさせられた。
(つづく)
<プロフィール>
神戸 彲(かんべ・みずち)
1947年生まれ、宮崎県出身。74年寿屋入社、えじまや社長、ハロー専務などを経て、2003年ハローデイに入社。取締役、常務を経て、09年に同社を退社。10年1月に(株)ハイマートの顧問に就任し、同5月に代表取締役社長に就任。流通コンサルタント業「スーパーマーケットプランニング未来」の代表を経て、現在は流通アナリスト。関連記事
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