新生ファミマの難題。日販を引き上げることができるか?(後)
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新店の日販は、ファミマがローソンを抜き、セブンに迫る
コンビニの実力は、日販で測ることができる。日販は加盟店募集の決め手になる。各コンビニの日販は表の通りだ。 コンビニ業界では、セブン-イレブンの3~5月期の全店の日販は64.5万円と、飛び抜けて高い。平均日販の高低は、加盟店募集の際の有力なバロメーターになる。このため、ロイヤルティーは高いものの、やる気のあるオーナーはセブン-イレブンを選ぶ傾向があった。ローソンの52.8万円、ファミマの51.4万円に10万円以上の差をつけた。
3~5月期の日販に異変が生じた。全店、新店とも、セブン-イレブン、ローソンともに前年同期を下回ったが、ファミマはプラスだ。なかでも新店は、セブン-イレブンが52.7万円、ローソンが50.3万円、ファミマが50.8万円と接近してきた。ファミマがローソンを抜き、セブン-イレブンの一人勝ちの構図が薄まってきた。
サークルKサンクスの全店の日販は42.9万円で、新店は47.5万円。日販をファミマ水準まで引き上げることができるかが、統合成果の分かれ目になる。統合前に不採算店1,000店舗を整理し日販を底上げするのは、そのためだ。
セブン-イレブンとは夜間の売上格差が大きい
日販引き上げのカギを握るのは、弁当やおむすび、サンドイッチ、調理麺、パスタ、おでんといった定番商品だ。ファミマは8月末に、総菜を全面刷新し、冷蔵の総菜ではガスを充填して密封し鮮度を高める容器を採用。店内で調理する常温の総菜でも、ステーキなど夕食のおかず向けの商品を増やした。
ファミマが弱いのは、夜間の集客力だ。セブン-イレブンは、ファミマやローソンなど競合チェーンと比べて夜間の売上の格差が大きい。水道光熱費や廃棄損失の本部負担が手厚いセブン-イレブンは、夜間も弁当などを十分にそろえ、販売機会に逃がさないようにしている加盟店が多い。
ファミマは統合を機に、セブン-イレブンに近いFC契約に見直すことで、オーナーのやる気を引き出し、夜間の品ぞろえの拡充につなげる。目指すは加盟店の1日当たりの売上60万円超だ。
(了)
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