2024年10月11日( 金 )

25年ぶりのリーグ優勝!!広島東洋カープ、前年のBクラス(4位)から大躍進!

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今年2,000本安打を達成した新井貴浩選手<

今年2,000本安打を達成した新井貴浩選手

 9月10日、広島東洋カープ(以下、広島)が読売ジャイアンツ(以下、読売)に6-4で逆転勝ちし、1991年以来25年振りのリーグ優勝を果たした!
 今年、黒田博樹投手が日米通算200勝を、新井貴浩選手が2,000本安打を達成し、この2人が泣きながら抱き合う姿がとても印象深かった。優勝決定後の広島の街はお祭り騒ぎとなった。

 今季の広島の成績(9月11日時点)は、試合数132試合に対し、勝利数82勝、敗戦数48敗、引分け2、勝率.631となっている。
 2位読売とは勝差14ゲームと、圧倒的な強さで優勝を決めた。今季の広島の強さを分析してみた。

 まずは打者から。1

 9月11日時点でのセ・リーグ打者ランキング(打率)の10位以内に、レギュラーのうち3人がランクインしている。注目すべきは、3人全員が打率よりも得点圏打率が高いことだ。ここ一番での勝負強い打者が多いことが、今年の広島の強さを象徴している。9月11日時点でのチーム得点数と失点数を見てみても、得点640点(セ・リーグ1位)失点471点(セ・リーグ2位)と、とくに得点は2位ヤクルトの557点に比べ圧倒的に多い。得点圏でしっかりと結果を出せる打者が4人もいれば、納得の数字である。

 続いて、投手について。

<先発>02 現時点で、ジョンソンと野村が今年の最多勝を争う展開となっている。3位のメッセンジャー(阪神)は11勝で、残り試合数と先発ローテーションの兼ね合いからみても、広島のどちらかが最多勝を取ることで間違いないだろう。最多勝争いの2人の突出すべき数字の理由は、勝率にある。勝率が7割を超える先発投手が2人もいたことが、今年の広島の強みであった。

<中継ぎ>3 中継ぎの今村・大瀬良・一岡3選手とも動物のカピバラに似ていることから“カピバラ3兄弟”と命名され、球団公認Tシャツも存在する。防御率の低さからも見て取れるように、3兄弟と今季より新加入した助っ人外国人投手ジャクソンの活躍が、試合中盤の失点数の低さを牽引した。

<抑え>4 抑えの中埼は昨年から頭角を現し、今や広島の絶対的守護神。今年は33セーブとすでに昨年の29セーブを上回る成績を収めている。防御率は1.34と圧倒的に低く、抜群の安定感を見せる若き守護神だ。
 先発陣の完投が少ない(ジョンソン3・野村1・黒田1)ことから、3兄弟・ジャクソンと中埼の活躍なくしては、今季の広島の躍進ぶりは見られなかったであろう。
 今年は先発→3兄弟・ジャクソン→中埼の勝利の方程式が多くみられた(優勝を決めた日も、黒田→今村→ジャクソン→中埼)。

 また、今年広島の82勝のうち、何と半数を超える42勝が逆転勝ちで勝負を決めている。打者達の勝負強さもさることながら、投手陣の活躍も上手く回り、90年読売に次ぐプロ野球史上2番目の速さでの優勝となった。

 さて、気は早いが次は10月12日から始まるクライマックスシリーズ。このままの勢いで、日本シリーズ進出と1984年以来の4度目の日本一になれるか見ものである。

【奥 隆司】

 

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