2024年12月22日( 日 )

先代の経営哲学を継承しながら新たなチャレンジで第二創業期をつくる(後)

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三共電気(株)

新たなチャレンジ、沖縄への進出

 福岡県下にて独立系電材商社として、40年の歴史を刻みさらなる発展を見せる同社。100億円の売上高を目指すための営業戦略の一環で、15年7月1日より沖縄営業所を新設・営業活動をスタートさせた。我が国の業界大手の企業でも、別法人を沖縄県に立ち上げて、沖縄の企業として活動させることがほとんどであるなか、一地場企業が通常の営業拠点として進出するのは異例のことだという。「沖縄県の風土として、地元のなかで経済活動を行っていくことが優先されております。そのため、他の都道府県から営業拠点を進出させても、受け入れてもらうのは困難を極めます。他のどこよりも、沖縄県は『地元意識』が根付いております」(木原代表)と分析している。

三共電気(株) 木原 和英 代表<

三共電気(株) 木原 和英 代表

 それでも沖縄県に営業拠点を出した理由は、「これからの市場性をリサーチした結果、営業のチャンスが広がる確信したからです」(木原代表)と、これからの沖縄県における営業機会の可能性の高さに、進出を決断したという。
 最初の構想は、マンションの1室を事務所として借りて、人員のみで稼働させるものであった。しかし、木原代表自らの足で沖縄を回り、「それでは機能しない。福岡と同じように、自前の営業所を設けて商品をストックし、配送を行うことにしました」(木原代表)という。
 営業開始当初は、新規の顧客回りを行っても、ほとんど反応がない状況が続いた。木原代表自らも1件ずつ訪問した。「最初から上手くいくとは考えていなかったので、想定内でした。それでも、なかなか仕事の話までには至らず、どうしたものかと自問自答の連続でした。日中のお客さまへの訪問と同時に、夜には杯を交わしながらのコミュニケーションを行いました。仕事うんぬんより、人間関係の構築を行ったのです」(木原代表)と、沖縄県での事業構築の難しさに直面したという。それでも営業所の社員と共に汗水流しながら、地道な営業活動を展開し続けた。その結果、少しずつ同社に見積もりを依頼する得意先が現れ出し、新たな取引がスタートし始めている。「まだまだこれからですが、少しずつ当社の取り組みを受け入れていただけるお客さまがいらっしゃいます。当社の仕入先である大手系の電材メーカーのご協力もあり、営業活動を展開させていただいております。見積もり1ついただくこと、受注を1ついただくことのありがたさを、この沖縄での営業を実施しながら気づきました。それは、営業の基本であると思います。福岡では順調に受注をいただいているなか、1つの見積もり、受注をいただく喜びとありがたさを痛感しております。これが、顧客第一主義の本質で、事業構築の源であることを気づき、学ばせていただいております」(木原代表)と、厳しいなかにも、営業の醍醐味を肌で感じている。

 同社の新たなチャレンジによって、『出口イズム』を継承しながらも第2創業期のリーダーである木原代表が、全社一丸となってさらなる進化を牽引することが大いに期待できる。

(了)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:木原 和英
所在地:福岡市西区福重1-14-25
設 立:1976年6月
資本金:7,200万円
TEL:092-883-8588
URL:http://www.sdkk.jp

<プロフィール>
kihara_pr木原 和英
1968年2月生まれ、福岡市出身。87年に三共電気(株)に入社。その後、2000年4月に南営業所所長兼営業本部長、03年5月に取締役営業部長、10年7月に取締役常務を経て、13年7月に代表取締役に就任。趣味はゴルフ。

 
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