杭打ち「末広産業」工事経歴虚偽の実態~福岡市発注のあの大型工事でも
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福岡県に虚偽の工事経歴を報告した疑いが持たれている杭打ち業者「末広産業 株式会社」(福岡市西区、佐藤九一郎代表)に、新たな疑惑が噴き出した。
下は、末広産業が2014年3月期の決算変更届において、福岡県に報告していた「(仮称)住吉中ブロック小中連携校(校舎棟・運動棟)新築工事に伴う杭工事」の内容だ。
データ・マックスは同工事の発注者である福岡市役所に対し、同工事の関連文書を情報公開請求し、150枚にわたる施工体系図を入手。杭打工事の下請業者を確認したところ、「末広産業」の名前は確認できなかった。
同工事の発注者は市の外郭団体「財団法人 福岡市施設整備公社」。元請業者が清水・菱興・西鉄・占部・東部JVだった。総工事期間1年10か月、総工事費約57億3,300万円という大型プロジェクトである。この工事の施工体系図の中から杭打工事の部分を抜き出すと、以下の様になる。
末広産業の工事経歴報告によれば、ジャパンパイル福岡支店より下請工事を受注していることになっている。しかし、施工体系図には1次下請としてジャパンパイルの名前があるだけ。末広産業の名前はどこにも出てこない。施工体系図が示すように、末広産業は施工に関与しておらず、福岡県への報告が虚偽だった可能性がある。
県に報告された請負金額はその期の完工高や売上高を構成するものであり、末広産業が上記請負金額1億3,400万円をジャパンパイルから受け取ったのは事実。工事代金を受け取っていながら実際の工事に関与していなかったとすれば、法的な問題が生じるのは言うまでもない。公金支出に関わる問題。同じような事例はないのか、さらに同社の経営実態を検証する。
(つづく)
【東城 洋平】▼関連リンク
・杭打ち「末広産業」に建設業法違反の疑い~九地整「詐欺の可能性も」
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