ニーズ即応と市場深耕は不変の戦略(後)
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(株)ダイショー
まだまだできることがある
日本の食品市場では独身や単身者、夫婦家庭など世帯あたりの構成比が変わり、家庭内調理が減少。その分はそのまま外食や中食に移行するという構図だ。
ここに来てその傾向が一段と顕著になっていることから、スーパーやコンビニエンスストアも中食の惣菜にはとくに力を入れている。同社でも従来から業務用惣菜向けの製品は提供してきたが、専門の組織やチームを編成し、即食製品への取り組みを強化している。「4~5人前の大家族向け製品に伸びシロがあるかと言えば、厳しいかもしれません。『スープはるさめ』は、それを見越して開発した製品です。お湯をかけるだけで手軽に5つの味が楽しめますし、『低カロリー』『健康』というキーワードにも再注目しました。カップはご家庭にあるものをご利用いただくことで、お求めやすい価格で提供しています」(阿部社長)。
今後、同社が目指す方向性は取引先の要望に最大限に応えていく戦略のなかで、「まだまだできることがある」というもの。それを差し置いて、海外市場の開拓や新規事業への参入は準備段階のようである。
肉や魚、野菜の生産者が努力した分だけ報われたい。流通業者は店舗を構えて消費者の利便性を追求していく。そのためには付加価値をつけなければならないわけで、同社はその支援に注力することで首尾一貫する。
たとえば生産過剰で在庫がダブつく野菜があれば、生産者は困る。そんな野菜を食べてもらう調味料を求められれば、真摯に応えていくという姿勢だ。料理の基本である「香辛料とさしすせそ」。同社がこれらを使ってできることは、山ほどありそうである。(了)
<COMPANY INFORMATION>
代表取締役会長:松本 洋助
取締役社長:阿部 孝博
所在地:福岡市東区松田1-11-17
設 立:1966年12月
資本金:8億7,000万円
TEL:092--611-9321
URL:http://www.daisho.co.jp/<プロフィール>
阿部 孝博
1957年8月福岡市生まれ。山口大学農学部卒業後、1981年10月、㈱ダイショーに入社。研究開発室、工場長を経て、96年6月取締役就任。常務取締役、専務取締役、取締役副社長を歴任後、16年4月取締役社長に就任。趣味は科学史関連の読書。関連キーワード
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