全管協九州支部で三好支部長の解任を求める声が上がる(3)

 これまで掲載してきた『全管協の闇』シリーズにおいて、全国賃貸管理ビジネス協会(以下、全管協)の名誉会長・高橋誠一氏が自民党ちんたい支部連合会会長、全国賃貸住宅経営者政治連盟会長として与党自民党と近い関係にあることや、全管協の会員企業やその代表者が自民党の党員勧誘活動に際して本来党員となる個人が支払うべき党費を負担している実態について、政治資金規正法上の寄付行為にあたる可能性があることを指摘してきた。

 これらの問題を取材していくなかで、全管協九州支部において今年に入って九州支部長・三好修氏((株)三好不動産・代表取締役社長)を支部長から解任すべきという声が上がっていたことがわかった。このような声が上がった背景には、三好氏が全管協の会長を務めていた2023年6月から25年6月の期間における、高橋誠一名誉会長に対する忖度ぶりへの反発がある。

 高橋氏らは会員企業に自民党員獲得の過重なノルマを課してきた。高橋氏の後に会長に就いた三好氏は、本来であれば、ノルマに苦しむ会員企業の実情を理解して負担を軽減するように働きかけるべきであった。しかし、複数の全管協九州支部の会員によれば、「三好氏は高橋氏の意向に沿って、自民党員を増やすよう号令をかけていた」という。

 『全管協九州支部で三好支部長の解任を求める声が上がる(1)』では三好氏に対する批判の声を受けて、全管協九州支部が、4月27日付で、支部長である三好修氏と5人の本部理事の連名で、「九州支部役員会の現状と、今後の対応方針について」という文書を出したことを報じた。

 『全管協九州支部で三好支部長の解任を求める声が上がる(2)』では、5月8日に福岡市内で開催された全管協九州支部の定例会合の質疑応答において、複数の九州支部会員から質問が行われ、全管協本部が本部見解として自民党員獲得問題などに関して水野隆司会長名で全国の加盟企業に対して送付した文書について、定例会に出席した本部理事に対して見解を求める声が上がったことを報じた。

 上記記事で報じたように、全管協九州支部の理事は「(水野会長名の文書について)読んでいない」と回答している。本部の公式見解の文書として出されたものについて、本部役員が知らないということはどの組織でもあり得ない話である。

 三好氏は、23年6月から25年5月まで全管協会長も務めている。九州支部の会員の思いを高橋氏に伝える役割を期待されていたが、実際には、高橋氏の意向を支部に伝えるだけで過剰な党員獲得ノルマは改善されることはなかった。

三好氏ら本部役員は高橋名誉会長に反対せず 取材を進めていく中で、福岡の全管協加盟企業の複数の代表者から、党員獲得ノルマをはじめとする全管協の在り方や、執行部である高橋氏や三好氏に対する批判の声を聞くことができた。自民党員の獲得に関する内容を以下の通り紹介する。

<全管協加盟A社 代表>
 自民党員の獲得についてですが、入党の振り込み用紙を全管協の担当者が会社に持参しこられ、弊社の割り当て人数として50~60人をお願いされました。自民党員の勧誘は、社員や取引ある企業などにお願いしていました。最初は社員などから直接お金を集めていましたが、毎年社員に負担させるのは難しいので、会社が党費を立て替えて支払うようになりました。

 政治に関心がない人や個人情報を出したくないという人もいます。昔であれば仕事関係や知人関係で頼むことができましたが、今は仕事をもらったから協力しないといけないという関係性ではありません。

 全管協は、毎年東京で総会やシンポジウムを開催していて、私も出席したことがあります。政治家では石破さんが毎回お見えでした。私が参加したときは福岡からは鬼木誠さんが出席されていました。

 結局は、高橋(誠一)名誉会長が政治家とパイプを持ちたかったのではないでしょうか。当初の党員目標1万人からどんどん増えていきました。でも考えたらおかしいですよ。高橋さんが言ったことを、三好さんなど本部役員は反対しないのです。そして問題は九州支部の理事たちの多くも、支部長の三好さんを擁護していることです。

三好氏は高橋氏にプレッシャーをかけられていた

<全管協加盟B社 代表>
 弊社は、自民党員の獲得について担当社員に無理はしなくてよいと伝えています。高橋名誉会長は自分の意見に反対する人に強い言い方をされることがあります。全管協の東京での会合に行くと、役員会議のやりとりが漏れ聞こえてくることがあります。高橋名誉会長に三好さんが詰められているやり取りもあったそうです。

 僕は個人的には高橋名誉会長のキャラクターは好きですよ。ただ私利私欲で動くことはダメだと思います。自分もいつもそのことは気をつけながら、自分の利益のために動いていないだろうかと常に心に照らし合わせて考えるようにしています。経営していく者の立場として公私の判断は間違えてはいけないと思いますね。

 本部の交流会には福岡選出の国会議員も数人出席しています。業界の要望を国に伝えるために全管協九州支部からも参加することは大事だと思います。

 これから全管協はどうするのかについて、役職についている方々は会員のために判断をして改善していただきたいと思います。全管協に加入している多くの事業者は、全管協の様々なサービスなどにメリットを感じていて、事業にプラスになっていると考えています。「全管協がなくなったら私たちどうすればいいのですか」との声もあります。

 全管協を通じてビジネスモデルを学び合う会社も少なくないのでそういう事業者のためにも前向きに進めていっていただきたいと思います。

<全管協加盟C社 代表>

 全管協本部の在り方について九州支部で上がっている声を三好支部長がきちんと本部に伝えているのか疑問を感じています。5月8日の会合でも、自民党員の獲得を含めて本部からの文書に関する意見が出ていました。ところが、理事が文書を読んでいないというのは驚きました。三好さんは堂々と取材を受けたらいいと思います。御社の記事で少しでも改善されることを願っています。

 今回、全管協に加盟する福岡県内の事業者の代表者から率直な声を伺うことができた。記事で紹介したのは自民党員の獲得に関連した話に絞ったが、組織運営の在り方などにも厳しい意見が出されていた。

 三好氏は昨年5月、国から長年の住宅不動産業界における貢献により旭日小授章を受賞し、同年10月ホテルオークラ福岡で記念祝賀会が開催された。

叙勲祝賀会での三好修氏
叙勲祝賀会での三好修氏

    叙勲は閣議決定を受け、天皇陛下より裁可され担当官庁の大臣を通じて発令される。大変名誉なことであるが、その名誉に相応しい社会的責任を果たす義務を負う。全管協の前会長で、現在も九州支部長を務める以上、加盟企業の声を真摯に聞くことが求められる。

 全管協をよくする会は、自民党員獲得をめぐる問題などについて第三者委員会の設置と実態究明を求めているが、三好氏は、九州支部において有識者を交えた第三者委員会を設置し、問題の実態究明と改善の方策を打ち出されてはいかがだろうか。

(了)

【近藤将勝】

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