国会でのスタンディングオベーションは米国の猿まね
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、安倍晋三首相の所信表明演説で自民党議員が全員でスタンディングオベーションを行った「異様な光景」について言及した、9月27日付の記事を紹介する。
臨時国会が召集され安倍晋三首相が所信表明演説を行った。安倍首相は、「我が国の領土、領海、領空は、断固として守り抜く。強い決意を持って守り抜くことを、お誓い申し上げます。現場では、夜を徹して、そして、今この瞬間も、海上保安庁、警察、自衛隊の諸君が、任務に当たっています。極度の緊張感に耐えながら、強い責任感と誇りを持って、任務を全うする。その彼らに対し、今この場所から、心からの敬意を表そうではありませんか」と述べると演説を中断して自ら拍手を始めた。
連動して自民党議員が全員立ち上がり、一斉に拍手した。演説は20秒ほど「中断」した。生活の党の小沢一郎代表は「異様な光景だ。今までも日本の議会では見られないと思うし、北朝鮮か中国共産党大会みたいで、ますます不安に感じた」と述べた。
米国議会では、大統領が年初に行う「一般教書演説」で、強調したいポイントを話し終える度に、議員が儀礼的にスタンディングオベーションすることが通例となっている。これを猿まねしただけの演出だが、アメリカのポチによる猿まねで「品格なき政権」「品格なき国会」を象徴する出来事になった。
安倍首相は7月10日の参院選結果について、「参議院選挙で、自由民主党と公明党の連立与党は、目標の改選過半数を大きく上回る勝利を得ることができました。『この道を、力強く、前へ』これが、選挙で示された国民の意思であります。」と述べた。
こんなことを言わせてはいけない。主権者の多数は「安倍政治を許さない!」と考えている。しかし、選挙というプロセスを経ると、この民意とはかけ離れた議会構成が出現する。
この「ねじれ」を解消することが急務である。日本の既得権勢力は政権を握り、その体制を維持するために、あらゆる方法を駆使している。2009年には政権交代が実現したが、この「悪夢」を二度と繰り返さぬために、あらゆる方策を講じて、政権刷新が生じないようにしている。
この現状を打破して、日本政治を主権者の手に取り戻さなければならない。米国では大統領選が実施されているが、メディアはクリントンを当選させるために全力を注いでいる。その理由はクリントン氏が巨大資本の支配下候補であるのに対し、トランプ氏が巨大資本の支配下候補ではないからだ。巨大資本は巨大資本が支配する米国政治を維持するために、共和党と民主党による二大政党体制を構築した。どちらに転んでも、巨大資本が米国政治を支配するための体制だ。
ところが、今回の大統領選では巨大資本が支配しない人物が共和党統一候補に指名されてしまった。そこで、トランプ氏に対する総攻撃が展開されているのである。
日本では、2009年に主権者の意思に基づく鳩山由紀夫政権が樹立されてしまった。この「過ち」を2度と繰り返さぬように、あらゆる手立てが講じられている。その柱は3つある。
第一は、野党第一党の民主党、現在の民進党を「隠れ与党勢力」にすること。
第二は、創価学会と共産党の連帯を阻止すること。
第三は、「隠れ与党」の「第三極」を人為的に創作すること。である。この3つの方策によって、既得権による支配を永続させようとしている。
この点を踏まえて、次の総選挙対策を講じることが必要である。
※続きは9月27日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1550号「次期総選挙までに民進党をせん滅する」で。
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