アビスパ J1残留崖っ淵!1対1を制せよ!
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J1のアビスパ福岡は、リーグ戦30試合を終えて4勝19敗7分勝点19で、年間総合順位は最下位。順位が16~18位のクラブは、来期J2に自動降格となる。14位ヴァンフォーレ甲府勝点28、15位アルビレックス新潟勝点27、16位名古屋グランパス勝点26、17位湘南ベルマーレ勝点20が30節終了時点での、順位と勝点である。残り4試合ある中、アビスパのJ1残留は、厳しい局面にあることは明白だ。
リーグ戦2ndステージの第9節のアルビレックス新潟戦に3-0で敗れてから第12節で湘南ベルマーレに2-0で勝利したものの、9月25日の第13節ヴィッセル神戸戦は、4-1での敗戦。敗退した試合は、いずれも後半の複数失点が起っている。
また、2016JリーグYBCルヴァンカップのノックアウトステージでは、今シーズン、分のいいFC東京に準々決勝で敗退(1-1、2-0)、天皇杯2回戦はJ2のレノファ山口FCに延長戦の終了直前に追いつかれ(2-2)PK戦で敗退した。レノファ山口FCはJ2で10位。アビスパが普通に戦っていれば、勝てた相手である。試合の前半は、アビスパの持ち味である“ハードワーク”と粘り強いディフェンスで試合をマネジメントしている。しかし、後半になると瞬く間に失速し、相手に翻弄されているように見える。決して、「手を抜いている、流している」ということではない。フィールド上の選手が全力を出していることはフィールドのサイドから見ていてわかる。ただ、物足りなさを感じる。敗れた試合後の選手のコメントは「ミスからの失点。消極的なプレイで、ボールを奪われた」などの言葉が目立つ。プロの選手であっても1人の人間であるから、ミスは発生する。アビスパに限らず、強豪クラブも同じである。
では、上位クラブとアビスパの違いはどうなのか?それは、ミスした後のリカバリーにある。優勝争いしている、あるいは上位クラブは、それが徹底されている。例えば、パスミスで相手にボールを渡してしまった場合、その原因を作ったパサーは、必ずボールを再獲得するためのパフォーマンスを実践している。全力で走り、ボールを追い続ける、ディフェンスのために全力で戻るなどリカバリーする姿勢を見せる。11人全員である。
一方のアビスパは、ミスした後のリカバリーが上位クラブよりやや下回っているのではないか。パスひとつにしても、精密にきめ細かく正確なボールコントロールを行うために、トレーニングすることは大切だ。一方で、ミス発生した時にどのようにリカバリーするのか、このトレーニングはもっと大切である。サッカーは、想定した戦法通りにいかないことばかりである。どのように試合の中で立て直すマネジメントを行うのかは、フィールド上の選手にしかできないことだ。ミスで、マイボールを相手に奪われたら、必ずボールを取り返すということを90分間全員が意識して徹底すれば、まだアビスパにはJ1残留の可能性はある。選手の“1対1”の戦いを制することだ。
【河原 清明】
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