技術力で福岡から全国そして世界市場へ(後)
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(株)冨士機
日本全国、そして世界市場へ
同社は14年2月、東京での事業拡大を見越し、東京事務所を東京都大田区の京浜島へ移転。約1,500坪の敷地に工場を構えた。一方で、同地にプラントを設け稼働しているものの、「今後の需要を考慮すると足りない」(藤田代表)として、さらに3カ所の工場設備を必要としており、拡大に向けての準備を進めている。その用途は、中性化固化剤と流動化処理土などの建設汚泥リサイクルのプラントである。また需要とは、20年の東京五輪の開催に向けたインフラ整備の一環とした路線の拡大見込みだ。都心環状線の地中化事業、東京外環道路の増設工事、そしてJR東海の世紀の大プロジェクト「リニア中央新幹線─リニアモーターカー」(品川~名古屋)の新設工事である。
また、大阪においても阪神高速道路の工事での需要が継続している。前述の通り、東京・大阪という2大都市圏におけるインフラ整備で、同社の建設汚泥ソリューションは、不可欠な存在となっている。それは、東京外環道路やリニアモーターカープロジェクトの工事での地盤を堀削する施工で、60~110m、深いところでは1,100mという我が国の工事では事例が希少な現場がある。その施工で、同社の地質改良技術が必要となってくるのだ。その原点は、建設汚泥のリサイクルを通じての環境保全への貢献に対する、藤田代表をはじめとした同社社員の研究開発への取り組みと、それが現場に活かされていることだろう。
藤田代表は、「今日、任せていただいた仕事が我々の財産。その経験で成長させていただいている」と述べている。
東日本大震災後に、同社の技術力によって環境が整備されたことは実証済みである。それもあり、国内のみならず海外からもオファーがかかっている。福岡という地方発祥の同社が、日本全国および国際レベルで事業を構築し、社会に貢献する─それは、自らが持つ得意分野を徹底して深耕し、諦めず世の中に貢献する姿勢と行動力によるものである。顧客をはじめとしたステークホルダーから絶大な信頼を持つ同社。その姿勢は、地場企業のお手本と言えるだろう。福岡から東京・大阪、そして世界の市場で貢献する。痛快だ。
今後、ますます同社の技術力が発揮される機会が増えていくだろう。それは冒頭に記した通り、藤田代表は今もなお、より進化した技術力の構築を目指して、休むことなく開発に取り組んでいるからだ。
(了)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:藤田 以和彦
所在地:福岡市博多区博多駅東1-10-30
設 立:1972年9月
資本金:5,000万円
TEL:092-432-8510
URL: http://www.kk-fujiki.jp<プロフィール>
藤田 以和彦
1943年福岡県生まれ。福岡大学卒業後、実父経営の鉄工所に入社する。69年9月に事業を継承。72年9月に(株)冨士機鉄工(現・(株)冨士機)を設立し代表取締役に就任する。趣味は登山。法人名
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