太陽光発電で培った自信を胸に再エネプロジェクトの主役を目指す(後)
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(株)堀内電気
1、2年先まで工事を受注 メガソーラー開発にも意欲的
太陽光発電は14年9月以降、電力5社が再エネ発電事業者からの電力系統への新規接続申し込みに対する回答を一時的に保留。これを受けて、経済産業省は固定価格買取制度を抜本的に見直す方針を打ち出した。
電力の買取価格は40円から36円、さらに32円と下がる傾向にある。そのため、急いで価格の認定を受けたが、パネルの値下がりや接続権利の転売が思うように進まないことからブローカーが撤退しており、発電ビジネスそのものは適正化し真の産業に向っている。
オーナーや投資家に対して計画設計から保守管理、利回りまできちんと説明しているEPC事業者には、1〜2MWから10 MW以上の大型物件が発注されている。それらは認可までに1〜2年を要するため、施工業者である同社にとっても向こう1、2年先の工事が担保され、管理受託まで加わると20年間は安定した収入が見込める。これらを原資に自社でも福岡県八木山に2〜3MW、長崎県に約2MW、福岡県朝倉市に1.5 MWの産業用メガソーラーの開発を進めている。
「すでにある工場の屋根に取り付ける10〜300KWの設備は、土地代も造成費もかからず、建設費は100KWあたり3,000万円程度で済みます。買い取り価格が24円でも、年間で260万円もの売電収入があれば、利回りは十分に良いわけです。弊社ではこうした低圧設備への営業展開に加え、EPC事業者からの大型工事の受注、自社による産業用開発の3つで太陽光発電事業を攻めていきたいと考えています」(堀内社長)。
発電設備の管理業務については、すでに関連会社のイーパワーが担っており、本社ほかに鹿児島県には2つの営業拠点をもち、今年7月頃には長崎に営業所を開設する。今後、国の指導で管理をきちんと行うことが義務付けられる可能性があるため、これまでメンテナンスを放置していた発電事業者からの管理受託も見込める。
太陽光バブルが弾けたことが、同社にとってはかえって追い風になっているということだ。ファイナンススキームを確実なものにする事業拡大
自社開発のメガソーラーは、ファイナンス面、とくに資金調達のスキームが確立したことが同社にとっては心強い。太陽光発電に携わって20年の実績と年商18億円の売上規模は、資金提供の対象として十分なコーポレートファイナンスになるわけだ。
資金の調達先はオリックスなどのリース会社だが、新たに15MW、総事業費40億円を超える物件が始動しており、こちらはSPCスキームによる共同プロジェクトになる。
SPCスキームとは、リスクを分担するために複数の出資者でメガソーラー事業を運営する特別目的会社を設立し、開発資金はプロジェクトファイナンスというかたちで調達するものだ。
この出資者にはSPCから工事を受注する同社も含まれる。SPCという形態をとるのは、発電事業の安定性を担保できるからだが、同社にとっても大型物件を確実に受注していくうえで重要な要件と言える。
土地は借用済みで、目下、配電線附設の用地交渉を進めている。これが終わり次第、着工に移り、完成までに2年程度を要する。買い取り価格は36円で、売電収入は年間6億円にもおよぶ。
堀内社長は、太陽光に風力を加えた自然エネルギーの普及には人一倍の情熱を燃やす。事業の拡大にともなって、プロジェクトスキームの構築は確実になってきており、電気工事会社としての方向性が固まりつつある。(了)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:堀内 重夫
所在地:福岡市南区横手2-16-3
設 立:1997年4月
資本金:4,000万円
TEL:092-588-7030
URL:http://www.horiuchi-e.co.jp<プロフィール>
堀内 重夫
1958年12月、福岡県生まれ。電気工事士である父親を見て電気技術者を決意し、86年に堀内電気工事店を創業。97年に法人化し、(株)堀内電気を設立。並行して太陽光発電事業にも参画し、管理業務では九州をリードする企業に成長。関連キーワード
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