城ガールが巡る日本の名城~石垣の美・丸亀城(8・後)
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丸亀城天守へ
二の丸を抜けると、丸亀城の天守が見えてきた。
丸亀城天守は、現存12天守の中で最小。同じ現存天守の中でも知名度が高い松本城と比べてみると、その差は歴然。四重の石垣の上に建てられた天守は、間近で見るとこぢんまりとして可愛らしい。大手門から見た景色と、実際に登城して見える景色は、やはり大きく印象が異なってくる。この違いを発見することも、お城に登る楽しみの1つだ。
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天守の中に入ると、まず天井の高さに驚く。今まで見てきた現存天守は、天井が低く、圧迫感があったが、このお城はまったく違う。梁の色も綺麗で、床が軋む音もしない。不思議に思い尋ねてみると、梁と床も昭和25年に行った修繕によって新しくしたものだと教えてもらえた。
それを聞き、感じていたちぐはぐ感の謎が解けた。現存天守ならではの年を経た木の色と、新たに張り替えた木の色。少し変わった色あせ方をしている梁。天守内部は、新しさと古さが混ざった、不思議な空間だった。※クリックで拡大
旅の出会い
天守1階で登城記念のスタンプを押していると、若い女性に声をかけられた。「スタンプ集めているんですか?」と聞かれたので、スタンプ帳代わりにしている和紙の冊子を見せ、「そうですよ」と答えた。「私もお城が好きなんです」と言う香川在住の彼女に、過去に訪れたお城のスタンプを見せ簡単な解説をすると、笑顔で話を聞いてくれた。話してみると、年も同じで共にお城好き。当然話も弾む。「丸亀城は、あるのが当たり前すぎて、日常に溶け込んでいた。だから、お城として意識していなかった」という彼女の言葉にとても驚かされた。
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確かに丸亀という地に、丸亀城はとてもよく馴染んでいる。立派なお城でも、人影の無いお城は多くある。一方丸亀城は、地元の人がいっぱい。親子連れや学生さん、初老のおじいさんまで年齢層も様々だ。お城があることが当たり前で、日常の風景の一つとして溶け込んでいる。お城好きの私にはそれが興味深く、とても魅力的に感じられた。
別れ際、彼女と連絡先の交換をした。福岡と香川、お城が結んだ縁である。私にとって、初めてのお城好きの女性との出会い。満ち足りた気持ちを抱えながら、丸亀城を後にした。※クリックで拡大
(了)
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