「学校運営」と「主婦業」両立のキーワードは子どもたちとのコミュニケーション(後)
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(学)宮田学園 理事長 宮田 智栄 氏
日本最大規模の学生数を誇る西日本国際教育学院を運営する(学)宮田学園の理事長で、3人の子どもを育てる母親でもある宮田智栄氏。夫である宮田道郎学園総長を傍らで支え、ビジネスと家庭での主婦業を両立させてきた同氏に、仕事のこと、家族のこと、さまざまなお話をうかがった。
「一貫教育」の仕上げとしての4年制大学を――2017年はどういう年にしていきたいですか?
宮田 まもなく3月には、西日本国際教育学院から327人が、国際貢献専門大学校からは154人が新たなステージへと巣立っていきます。今度卒業する学生だけでなく、両校合わせて約1400人の若者が私たちのもとで学んでいます。私はアジアの留学生たちの日本での「母親役」として、全員の顔がわかります。「不安そうにしているか」「元気そうにしているか」など、微妙な顔色の変化は、自分の子どもと同様になんとなくわかるものです。私はそういう細かな部分をいつも気にしています。うちの学校では、職員からの声かけには力を入れています。「いつもあなたのことを気にしているよ」という意識は、今年もしっかりと持ち続けて、学生との信頼関係を築いていきたいですね。
そして、先ほども述べましたが、2017年は、4年制大学「国際貢献大学(仮称/設置構想中)」の土台をつくる重要な年です。私たちは、アジアの若者が初めて日本に来て、西日本国際教育学院で日本語を学び、それから現在なら、国際貢献専門大学校で専門教育課程を学んだうえで、社会に出ていくという「一貫教育」を推し進めてきました。今年はさらに国際貢献専門大学校に4年制コースが加わります。そして、再来年には4年制大学「国際貢献大学(仮称/設置構想中)」が西日本国際教育学院で学んだあとの選択肢として加わります。
選択肢が増えてきたら、西日本国際教育学院の役目である「日本語を学ぶ教育」の部分がさらに重要になってくると思います。国際貢献専門大学校の4年制コースや4年制大学「国際貢献大学(仮称/設置構想中)」が新しいトピックスとしてクローズアップされがちですが、西日本国際教育学院での日本語教育があってこそ、確固たる将来の進路選択ができると思うので、西日本国際教育学院の学院長として、2017年もしっかりと気を引き締めて運営していきたいですね。
――「一億総活躍社会」や「女性活躍推進」などの言葉が世間を賑わわせていますが、これから社会に出ようとする女性たちに、女性経営者としてアドバイスはありますか?
宮田 私のモットーとしては、「為せば成る、為さねばならぬ何事も」です。私はこれまで頭の中で創造して、物事を組み立てて、「これはできる」と思ったら、一生懸命努力してきました。たとえ思いと違った方向に物事が進んでも、また考え方を変えればよいだけです。仕事をしていくうえで、「創造する力」が大切だと私は思います。女性は出産や子育てなどがあるので、どうしても一時期は仕事から離れざるを得ません。そうしたブランクができたことにより、社会復帰時の技術的なスキルは不足しているかもしれませんが、出産や育児によって経験したことや考え方などは、仕事にもじゅうぶん生かすことができ、ブランクのない人よりも優れていると私は思います。社会に出てみたいというお母さんにはぜひ「勇気を出して一歩踏み出してみたら」とエールを送りたいです。
――最後に、いまの仕事の「やりがい」は何でしょうか?
宮田 学校に来ている留学生たちは、日本という知らない国に単身で来た、いわばチャレンジャーたちばかりです。若い時からいろいろな苦労を背負って来ていると思いますので、そんな将来ある若者たちをしっかりと受けとめてあげたいです。そして、そうした若者たちが地域社会で元気に活躍している姿を見るとうれしくなります。将来のグローバルな社会をつくっていくのは、ここにいる若い子どもたちです。私の娘も含めて、この子たちが相互理解を深め、共生し、どんな日本の未来をつくっていくのか、そのために、「日本を好き」という人を育てていくこと、それがこの仕事のやりがいであり、醍醐味だと感じています。
(了)
【杉本 尚丈】■INFORMATION
所在地:福岡市南区塩原4-17-17
TEL:092-541-8450
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