日経平均株価再び1万9,000円割れ~九州地銀の株価も下げ
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日銀は1月31日、金融政策決定会合を開催。金融政策については、2%の「物価安定目標」の実現を目指すため、昨年1月29日に導入した「マイナス金利政策」(長短金利操作付き量的・質的金融緩和)を必要な時点まで継続する方針は変わらないとした。
31日、トランプ米大統領が米製薬大手幹部との会合で、「他国は通貨安に依存している。中国しかり、日本は何年もやってきたことだ」と発言。昨日2月1日、前場の日経平均株価は、前日比▲32円95銭の1万9,008円39銭となり、取引時間中には一時1万9,000円割れを記録した。
◆トランプ大統領の発言を受けて1日午前、浅川雅嗣財務官は日本の為替政策を「通貨切り下げだ」と名指しで批判したことに対し、財務省内で記者会見し、「ドル円相場は市場で決まっており、操作していない」と反論した。
◆安倍晋三首相も1日午後の衆議院予算委員会で、「日銀による大胆な金融緩和策は日本経済を上昇させるために必要な政策であり、米国もやってきたことである。円安誘導という批判はあたらない。首脳会談の際には、反論すべき点があれば反論する」と、述べた。
この浅川財務官と安倍首相の発言により、『政府・日銀が一体となって現在の金融政策を維持する方針に変わりはない』との見方が市場に伝わり、後場に入り日経平均株価は一転して大きく値を戻し、前日+106円74銭の1万9,148円08銭で取引を終えていた。
しかし今日2月2日の日経平均株価は、トランプ大統領の発言を受けて、ドル円相場は112円63銭(15:13現在)と円高に振れ、日経平均株価は前日比▲233円50銭の1万8,914円58銭と、再び1万9,000円台を割り込んで取引を終えた。
その流れを受けて、九州地銀の株価も別表の通り、大きく値を下げて取引を終えている。
表から見えるもの
・大きく値を下げたのは西日本FHで前日比▲25円の1,166円。次が前日比▲18円の山口FG1,235円と九州FGで768円。以下銀行の株価が下げとなった。
・九州地銀 (FG・FH)8行の銘柄はすべて前年末比マイナスとなっており、九州地銀の株価にもトランプ発言が大きく影響をしているのが分かる。「申酉騒ぐ」の格言通り、この株価の動きの中にも九州地銀の金融再編のうねりがあるのではないだろうか。安倍総理は今のところトランプ大統領が繰り出す「日本批判の空砲」に強くは反発していないようだが、長い目で見た場合、2月10日に予定されている日米首脳会談では、「筋を通すところは通す」と毅然とした態度を示すことこそが、日本の国益を守ることにつながるのではないだろうか。
【北山 譲】
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