【2025年6月】行政処分や指名停止(98件)監督官庁・自治体公表の企業
企業におけるコンプライアンスの重要性が増しており、経営上のリスクを低減するためには、さまざまな企業情報の収集と分析が不可欠な時代となりました。データ・マックスでは、監督官庁や地方自治体が公表した行政処分や指名停止などの情報をデータベース化し、毎月まとめたレポートを配信しております。
2025年6月判明分は、①監督官庁による公表(全国対象)が50件、九州に特化した情報として、②福岡労働局や九地整、九州運輸局、自治体による公表分が48件、合計98件を確認しました。主な傾向とポイントをまとめ、企業リストを会員限定にて掲載します。本レポートが経営判断のリスクを学ぶ機会となれば幸いです。
2025年6月の法令違反事例分析レポート
- 1. 労働者供給契約の違法性に関する処分
「偽装請負」労働者派遣契約と称して実際には労働者供給契約を締結し、1,167人日にもおよぶ無許可労働従事を行っていたとして、労働局より2カ月の事業停止命令と改善命令を受けた。指揮命令系統や雇用関係が適切に設計されていなかった点が重視されている。
- 2. 景品表示法違反による課徴金納付命令
福岡県の小売業者は、ウェブサイト上で「No.1」「顧客満足度第1位」などの表示を繰り返していたが、これらは根拠とされた調査が実際の使用経験を確認せず印象に基づいたものであったため、優良誤認表示にあたると判断され、9,989万円の課徴金が命じられた。不正確な根拠で信頼を獲得しようとする表示行為に対し、消費者庁と公取委が連携して摘発を行った点が特徴的である。
- 3. 労働基準法・労働安全衛生法違反による送検
製造業の2社がそれぞれ、月100時間超の時間外労働の強要と、重大な機械巻き込み災害を発生させたことで、福岡労働局により書類送検された。いずれも労務管理体制の根本的な不備が背景にあり、企業の労働者保護義務が問われた事例である。
- 4. 技能実習制度に関する大量取消し処分
技能実習制度では、全国で14件の認定取消処分が行われた。外国人実習生に対する不適切な指示、人権侵害、旅券保管など、制度の根幹を揺るがすような事案が多発。法令違反にとどまらず、監理団体や受入企業の倫理観の欠如が厳しく問われている。制度終息を前にした行政側の取り締まり強化が鮮明となっている。
- 5. 大規模談合による排除命令・課徴金命令
広告・イベント業界大手8社は、東京五輪関連業務の受注調整で独占禁止法違反とされ、総額33億円を超える課徴金と排除措置命令を受けた。公共性の高い案件における競争制限は、業界全体の信頼性を損なう結果となり、再発防止策の実効性が強く求められる。
以上の事例は、下記の企業リストからの遷移で詳細を確認することができます。