2017 JリーグDAZNニューイヤーカップ・鹿島1-0福岡(2月6日)
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Jリーグ各チームがキャンプを張る宮崎市で開催されたプレシーズンのカップ戦「2017 JリーグDAZNニューイヤーカップ宮崎ラウンド」は、2月6日に最終日を迎えた。鹿島-福岡戦の前に行われた横浜FC-長崎で横浜FCが勝利し、通算2勝1敗として宮崎ラウンド優勝を決めた。福岡はこの試合に勝てば2位となるが、相手は昨年のJリーグ王者であり、FIFAクラブ・ワールドカップでは各大陸の王者を破って欧州王者・レアルマドリードに肉薄した鹿島アントラーズ。しかも鹿島のスターティングメンバ―はほぼベストメンバーといっていい布陣だ。対する福岡も今期新加入のFW松田力、MF山瀬功治、DF岩下敬輔らが先発に名を連ねる。大成功といえる今期の補強を象徴するメンバーだが、「世界2位」の鹿島相手にはかなりの苦戦が予想された。
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前半は、事前の予想通り鹿島が押し気味の展開が続く。しかしFWに入り献身的なチェイスを繰り返す城後寿、中盤の底で的確に鹿島の攻撃を押しとどめるMFダニルソンらが決定的なシーンを作らせない。そして守備面でもっとも光ったのが、岩下とセンターバックを組んだDF冨安健洋。昨年プロデビューしたばかりの富安が対峙したのは、鹿島のエース・FW金崎夢生。金崎は得点力はもちろんスピードもあり、自らドリブルで切り崩すこともできる万能FWだが、もっとも警戒すべきなのはゴールへの執着心だ。弱冠18歳のDFには荷が重い相手に見えるが、富安は金崎が77分に交代するまでシュートをほとんど撃たせず、完封といってよい出来だった。コンビを組んだ岩下が感服するほどのパフォーマンスを見せ、「岩下のパートナーは誰か」を競うCB争いで一歩抜きんでたといっていいだろう。
若手ばかりではなく、ベテランも存在感を示した。MF山瀬功治はかつて浦和、横浜FMでも活躍し日本代表にも選ばれたテクニシャン。鹿島は3人がかりでようやくボール奪取に成功するシーンも見られ、35歳となった今もそのボールキープ能力は健在だ。右サイドバックに入った、同じく35歳のベテランDF駒野友一も、年齢を感じさせない運動量とクロスを見せる。コーナーキックやフリーキックでは何度かチャンスを演出した。
しかし、先にゴールネットを揺らしたのは鹿島アントラーズ。後半開始直後、MF三竿健斗のコーナーキックからのこぼれ球をFW鈴木優磨が倒れこみながらシュート。ボールはGK杉山力裕の手をすり抜けてゴールに収まった。福岡は後半開始と同時にFWウェリントン、後半17分には新外国人選手のMFウィリアン・ポッピを投入。それぞれ見せ場は作るものの、決定的なシュートは放てない。試合終了直前には鹿島DF植田直通がペナルティエリア内でハンドを犯したように見えるシーンもあったが、PKとはならずそのまま試合終了。残念ながら福岡は勝利を挙げることはできなかった。
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結果こそ敗戦となったものの、鹿島のボールの出どころを常にケアしつづけ、決定的に崩されるシーンを作らなかった福岡のディフェンスは高く評価できる。攻撃面では、今期レンタル移籍から復帰したFW石津大介がスピード感あふれる切り返しを見せてゴールに迫るシーンもあったが、シュートシーンには至らず。J1レベルの守備を崩すためには一層の連携向上が必要だろう。
「世界2位」の鹿島アントラーズと互角に渡り合い、十分に「戦える」集団であることを示したアビスパ福岡。2月26日、ホームのレベルファイブスタジアムにJ3から昇格した大分トリニータを迎えるJ2開幕戦が、今から楽しみになる試合だった。
【深水 央】
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