九州地銀の2017年3月期(第3四半期決算)を検証(2)
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さて、これから2017年3月期 第3四半期(16年4月1日~16年12月31日)の経営成績を検証していくことにしたい。別表は経常収益の順位表である。銀行の経常収益は一般企業の売上高に相当するもので、その銀行(FG・FHを含む)の規模を見定めるバロメーターといえる。まずはその金融機関の収益の源である経常収益から見ていくことにする。
1.経常収益について
この表から見えるもの
◆グループで見た場合、トップはふくおかフィナンシャルグループ(以下FG)が1,724億円。次が九州FGの1,333億円で、3位は西日本FHの1,107億円。九州FGが前年比+432億円となっているのは経営統合に伴う特殊要因によるもので、来期以降は第1位にふくおかFG、第2位に西日本FH、第3位は九州FGになりそうだ。
◆銀行別に見ると、第1位は福岡銀行で1,274億円。第2位は西日本銀行で1,107億円。九州地銀18行のうち、1,000億円を超えているのはこの2行だけで、突出しているのが分かる。
・第3位は大分銀行が善戦して446億円。第4位に甘んじているのは肥後銀行で438億円。第5位は鹿児島銀行で、第6位は宮崎銀行。共に384億円でその差はわずか300万円で、第7位の十八銀行も380億円で猛追している。残り3カ月間で、三つ巴のデッドヒートが繰り返されることになりそうだ。
・第8位は佐賀銀行で355億円。第9位は親和銀行で267億円。200億円が上位9行と下位9行とを分けるボーダーラインとなっている。まとめ
◆全体的に見ると第2地銀の経営が厳しい状況であることが読み取れる。経常収益が最下位は長崎銀行で40億円。以下、佐賀共栄銀行42億円。福岡中央銀行72億円。豊和銀行76億円。この4行が100億円以下であり、いずれも第2地銀である。福岡中央銀行はふくおかFGから頭取を受け入れており、実質的にはグループ銀行といえる。また長崎銀行は西日本FHの傘下にあり、豊和銀行もその提携銀行となっている。
◆九州地銀18行のうち、広義のグループに属している銀行は、ふくおかFGの5行(福岡・熊本・親和・福岡中央・十八)。西日本FHの3行(西日本シティ・長崎・豊和)。九州FGの2行(肥後・鹿児島)と、山口FG傘下の北九州銀行を加え計11行。単独行の第一地銀は4行(大分・宮崎・佐賀・筑邦)で、第二地銀は3行(佐賀共栄・南日本・宮崎太陽)となっている。
経常収益が前年比マイナスの銀行は13行。たとえ上位地銀であっても人口の減少に伴う地域経済の縮小により、単独で生きていくのが厳しい状況にある。今まさに第二地銀の3行を含め経営統合の機は熟していると言えるのではないだろうか。(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】関連キーワード
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