九州地銀の2017年3月期(第3四半期決算)を検証(5)
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これから九州地銀(18行) の2017年3月期 第3四半期の総預金残高を検証していく。【表1】を見ていただきたい。
この表から見えるもの
◆総預金残高において、2016年3月期末からの順位変動はなかった。
・グループ別の第3四半期の総預金残高のトップはふくおかFGで13兆6,147億円(前期比+5,856億円、+4.5%)。※以下、前期比は省略。
第2位は九州FGで8兆2,460億円(+4,087億円、+5.2%)。第3位は西日本FHで8兆910億円(+759億円、0.9%)となっている。・九州地銀の総預金残高は44兆2,287億円。この3グループの預金残高は29兆9,517億円で、全体の67.7%を占めている。
◆銀行別で見ると、第1位は福岡銀行で9兆7,968億円(+3,723億円)。第2位は西日本シティ銀行で7兆8,418億円(+785億円)と福岡銀行が大きくリードしている。この2行の預金残高は17兆6,386億円で全体の約40%を占めており、福岡県の経済力は両雄が並び立つほどの強さがある証明ではないだろうか。
・第3位は肥後銀行で4兆4,594億円(+2,028億円)で、第4位は同じグループの鹿児島銀行で3兆7,865億円(+2,059億円)。残高では肥後銀行が6,729億円多く、面目を保っているものの、増加額では鹿児島銀行の方が31億円増と多く、人知れず一矢報いているように見える。
・第5位の大分銀行以下、十八銀行、宮崎銀行、親和銀行、第9位の佐賀銀行までの5行が2兆円台となっている。
【表2】を見ていただきたい。
第1位の福岡銀行から第9位の佐賀銀行のうち、第2位の西日本シティ銀行を除く8行が県の指定金融機関である。このうち長崎県は十八銀行と親和銀行が1年ごとの輪番制となっている。『暗雲漂う十八銀行とふくおかFGの経営統合』だが、もし承認され十八銀行と親和銀行が合併すれば、その煩わしさはなくなる。つまり3月31日を期して翌4月1日に公金を移動させずに済むからだ。
・福岡県では、西日本シティ銀行・筑邦銀行・福岡中央銀行の3行と、宮崎県では宮崎太陽銀行
が指定代理金融機関となっているが、北九州銀行(福岡県)、佐賀共栄銀行(佐賀県)、長崎銀行(長崎県)、熊本銀行(熊本県)、豊和銀行(大分県)、南日本銀行 (鹿児島県)の6行は、指定代理にもなっていない。・ただ指定代理金融機関であっても、資金は数日滞留後指定金融機関の福岡銀行に収納されるシステムとなっている。第2位の西日本シティ銀行の総預金は前年比+785億円に対して、福岡銀行は前年比+3,723億円。西本シティ銀行は金融・公金預金を公表しており、参考までに掲載しているが、ボリュームが小さいことわかる。
まとめ
第10位の熊本銀行から第18位の佐賀共栄銀行の預金残高は2兆円を切っており、県の指定金融機関であるかないかが分かれ目となっている。また県の指定金融機関といえども、預金は増えても県内産業が疲弊して貸出が増やせない状況となっている。九州地銀が今後も生き残っていくためには、経営統合を選択する以外に道はないようだ。
(つづく)
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