久保裕也、日本人最多20ゴールから学ぶもの
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ベルギー1部リーグ・ヘントに所属するFW久保裕也は、リーグ優勝プレーオフのズルテ・ワレヘム戦で1ゴールを決め、今シーズン通算ゴール数を20とした(試合は2-0で勝利)。
ヤングボーイズ(スイス)から1月に加入した久保は、これまで12試合に出場して8ゴール。ヤングボーイズ時代との通算で20ゴールと、日本人選手のヨーロッパ最多ゴールを記録した。久保裕也といっても、熱心なサッカーファンでなければ昨年11月のロシアW杯最終予選(サウジアラビア戦)までは知らない人がほとんどだったのではないか。1993年生まれの23歳。リオ五輪世代だが、当時所属していたヤングボーイズの要請で五輪本戦には出場できず、日本国内で名を売るチャンスを逃した。
山口県出身で、京都サンガFCの下部組織で頭角を現し、11年には17歳でJリーグ初出場。チーム最多となるシーズン10得点を挙げた。13年、20歳の若さでスイス・ヤングボーイズに移籍。17年1月、現所属のヘントに移籍し、大活躍を続けている。久保はまさにオールラウンドプレーヤーという呼び名にふさわしく、ドリブル、パス、シュートに秀で、攻撃的なポジションならどこでもプレーできる。とくにシュートの上手さは折り紙付きで、所属したチームの監督やチームメイトは口をそろえて久保のシュートを絶賛する。
しかしそのうえで、久保の特長は与えられたポジションで最善を尽くすプレースタイルだ。オールラウンドな能力を持ち、決してサボらず、監督からは重宝されるタイプ。それだけ、試合に出場するチャンスは増える。しかし、久保がいわゆる「器用貧乏」に陥らないのは、得点力という絶対的な武器を持っているからだ。絶対の切り札を磨きながら、高いレベルでバランスのとれたスキルを身につける。そして試合に出場すれば自らの強みを生かして結果を残し、チームにとって外せないピースとしての地位を確立する。ビジネスマンとして企業のなかで生き残りを考えるときに、久保のサッカー選手としてのあり方は大いに参考になるだろう。
【深水 央】
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