九州地銀(18行)の決算(17/3月期)を検証する(4)
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貸出金残高について
【表1】は、九州地銀(18行)の貸出金残高順位表である。
九州地銀(18行)の2017年3月期の貸出金残高は、前期比1兆6,670億円増の34兆5,070億円)となっている。マイナス金利政策の影響なのだろうか。九州地銀の預金増加額の1兆6,877億円とほぼ同額となっているのが目につく。
第1位は福岡銀行で、前期比6,647億円増の8兆9,253億円(8.0%増)。一方、預金残高の増加額は5,085億円。差額は1,562億円のオーバーローンとなっており、貸出金を増強しているのがわかる。九州地銀全体の貸出金増加額は1兆6,670億円。うち福岡銀行の増加額はその約40%を占めている。さらにグループでは7,336億円増加しており、44%を占めている。
ふくおかFGが17年3月期で負ののれん代948億円を一括償却し、当期損失を543億円計上したのは、貸出金の増強により手応えを感じたと見られるのだ。第2位は西日本シティ銀行で、前期比3,545億円増の6兆5,746億円。第3位は肥後銀行で前期比2,301億円増の3兆610億円。第4位は鹿児島銀行で、前期比1,858億円増の3兆501億円。
九州FGの貸出金の合計は6兆1,111億円で第3位。増加額は4,159億円で、西日本FHの3,624億円増に対して535億円上回っている。貸出金の増加率がトップだったのは、山口FG傘下の北九州銀行で8.8%。貸出金は初めて1兆円を超えて、前期比833億円増の1兆384億円となっている。ただ、九州地銀18行のうち、ただ1行だけ預貸率が100%近くあり、預金の増強も求められているようだ。
預貸率が一番低いのは十八銀行で59.8%。続いて大分銀行61.2%、親和銀行65.6%、肥後銀行67.3%、筑邦銀行67.4%、佐賀67.5%と、60%台以下は6行となっている。いずれも第一地銀であり、預金は集まっても貸出金が伸びない状況が見える。
【表2】は、九州地銀(18行)の県別貸出金残高順位表である。
貸出金が前期比マイナスだったのは5行。大分銀行は▲558億円の1兆7,324億円。南日本銀行は▲72億円の5,655億円。十八銀行は▲52億円の1兆5,165億円。佐賀共栄銀行は▲16億円の1,808億円。豊和銀行は▲7億円の4,075億円となっている。大分県では2行ともマイナスとなっており、地域経済の厳しさが伝わってくる。
今後、九州地銀で予想される金融再編は、貸出金のボリュームから見ても、ふくおかFGと西日本FHおよび九州FGを軸に進められるものと推測される。
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(つづく)
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