2024年12月23日( 月 )

元「鉄人」衣笠氏が斬る!~阪神はどこへ

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 今季は、春先から心配していた現象が、ついに出てきてしまった。何度か書いてきたが、とうとうきてしまったというのが第一印象である。

 それは…、『阪神タイガース8連敗』!!

 今季が始まったときから感じていたのは、ベテランが若手を引っ張ってペナントレースが進んでいること。そして、これが春先から続いているのである。
 本来、春先はそうではなく、若手がベテランを引っ張って進んでいくのが、見ていて安心なパターンだと思う。そして、若手が少し疲れてきたときにベテランが若手にいろいろなアドバイスを行って頑張るエネルギーを与え、復活させる。ベテランが模範を示して若手を引っ張る。その姿から、若い選手は少しずついろいろなことを学び、覚えていくものだ。

 ところが今季の阪神の場合は、ベテランがシーズン初めからチームを引っ張り、若手を引っ張り、チームの成績を上げてきた。

 「交流戦後かな~」「オールスター戦まで持つかな~」と、そんな心配をしていた矢先、頼りにしているベテラン選手たちに、ついに疲れが表に出てきてしまった。

 交流戦最後の6月17日の楽天戦では、2対8で敗戦。相手投手は、今季好調の美馬投手で、広島からも勝ち星を上げているからまだいいかな。この日は8安打で、そんなに打線が落ちてきたという兆候もないように感じていたが、次の日には、はっきりと兆候が出てきてしまった。これはいけない。

 翌18日、最後の交流戦。相手先発は岸投手。彼はコントロールの良い投手で、打たせて取るというタイプだ。「どんな攻め方をするのかな」と見ていたら、丁寧な投球を見せて阪神打線をしっかりと自分のペースに引き込み、阪神打線は10安打を記録するも0点に終わり、完封された。この現象は危険だ。10安打も記録しているのに、点が取れない。いかに相手のペースで打たされているかを証明しているようなものだ。

 本来ならば、ここでしっかり考えなくてはいけなかったのだが、悪いときには悪いことが重なり、19日から22日までは交流戦の雨予備日で試合がなかった。この間に、考えることを忘れてしまったのか、あるいは少し休養を取れば回復すると見たのか……。

 ペナントが再開された6月23日の広島での試合は、相手投手は開幕で打ち込んだジョンソン投手。良い投手で、今までもかなり苦労している。その投手相手に、この試合では11安打を記録して3点を挙げたのだが、味方の投手が13点を失い、敗戦…。

 24日は雨で中止。25日は、大瀬良投手相手に8安打を打ったものの、0点でまたしても“完封”。岸投手とは少し内容が違ったものの、同じく完封負けとなった。ここまで、打線がどうもつながらないということと、チャンスであと1本が出ないという現象が、チームに重くのしかかってきた。
 ここまでで4連敗。明らかに、ベテランといわれる選手たちの成績が落ちてきている。

 6月27日の中日戦。相手の若い鈴木投手に4安打1点で、打ち崩すことができなかった。
 28日には、スターティング・メンバーから福留の名前が消えた。“休養”を与えたと思われる。4番に原口選手を入れて臨んだ試合だったが、ジョーダン投手に2安打するも、得点にはならず、またもや“完封”。

 29日、今度は左の大野投手。大野投手は今季、まだあまり調子が上がってきていないが、何とか攻略すべくメンバーを入れ替えて、中谷選手4番、福留選手、1番の高山選手休養、1番には俊介選手、6番にドラフト1位の大山選手を入れて、今季初めて鳥谷選手を5番に持ってきて臨んだのだが、4安打で“完封”という結果になった。
 そして30日。ここぞというところで投手が打たれ、ついに8連敗に……。心配の種が増えてきた。

 野球の勝敗は、投手が7割握っているとよく言われる。幸い30日までの試合では、投手は大きく崩れていなかった。この8連敗は、少しのきっかけがあれば立ち直れるのではないかとの期待がある。その投手陣に、昨日の敗戦ショックは響かないか、私は少し心配になっている。

 だが、まだシーズンの半分までいってない。70試合を終えて、37勝、33敗。4つの貯金を持っている。慌てるな!焦るな!夢を持って!!

 明日からも試合は止まらない。1試合、1試合、チームが納得する試合を続けることが、チームのためである。頑張ろう!!

2017年6月30日
衣笠 祥雄

 

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