辞任表明の自民党福岡県議団・松尾統章会長、3年前に開催した祝賀会での「意味深な一幕」
福岡県や県議会の高額海外視察などの経費が不透明な公金支出に当たるとの批判や、正副議長就任時に自民党県議団幹部へ高額な金銭を支払う慣習があったとの疑惑をめぐり、追及の声が高まるなか、中尾正幸前副議長の議員辞職に続いて、自民党福岡県議団の松尾統章会長が県議団会長を辞任する意向を明らかにした。
松尾氏は最大震度7を観測した熊本地震発生の日である7月28日夜に北九州市内で開催した飲酒をともなう政治資金パーティーについて「やって良かった」と発言したことを辞任の理由に挙げ、「私の発言で多くの方に不快な思いをさせてしまったことを心からおわびいたします」と陳謝した。
3年前の2023年8月2日夕方、福岡市博多区のホテルオークラ福岡・平安の間で、自民党福岡県議団会長に就任した松尾統章氏の祝賀会が開かれ、記者は取材していた。
会には、服部誠太郎・福岡県知事をはじめ蔵内勇夫氏など、福岡県政関係者を中心に国政や財界など幅広い分野から1,100人が来場していた。祝賀会では、今日の状況をある意味で予想していたかのような発言が関係者から多く出されていた。
蔵内氏は挨拶のなかで「松尾会長は、私の息子のような存在」と述べた。当時、福岡9区・10区(ともに北九州市)の公認問題で自民党県連は揺れていたが、「彼は苦労しているが、どういう判断を下すか、黙ってみておこうと思う」と述べていた。10区はその後、元県議の吉村悠氏が公認を得たが、9区は参議院からの鞍替えを希望する大家敏志氏をめぐり、大家氏の公認を求める県議団を中心とする県連に対し、副総裁を務める麻生太郎氏が反対し、松尾氏は板挟みの状態にあった。
福岡県議会問題についても、吉松源昭県議らの告発の背景に麻生氏の存在を見る向きも少なくない。
来賓として服部誠太郎・福岡県知事も挨拶していた。服部氏は「自民党県議団は単独過半数を確保しているが、行政と議会は二元代表制であり、県民のための施策を進めていくためには、県知事と県議会は適切な緊張関係が必要であり、信頼の上に立って手を携えて取り組みを進めていく必要がある」とも述べていたが、海外視察や金銭授受など一連の問題で服部知事は蔵内氏と距離を置こうとしている。この時点で服部氏は蔵内氏と蜜月関係にあり、建前の話ではあったろう。祝賀会の挨拶と同様に「行政と議会は二元代表制であり、県民のための施策を進めていくためには、県知事と県議会は適切な緊張関係が必要」ということを現在、公に表明しているが、自身の責任を感じている様子はあまり見られない。役人は事務局に過ぎず、うまく蔵内氏や松尾氏を利用していたといえるだろう。
松尾氏と県議会当選同期である大家敏志・参議院議員は、「鉄の結束とか、泣く子も黙るとか日本中で最も強力といわれる県議団」と述べていたが、若手の自民党県議からも批判の声が上がり、松尾氏は辞任へと追い込まれた。3年前の出来事だったが、今の事態を暗示したような発言の数々であった。
【近藤将勝】








