実質経営者失踪の「九菱地所」 現代表に公文書偽造の疑い
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実質経営者が会社の資金を持ち出し、消息を絶っている建設会社、九菱地所(株)(所在地:福岡市南区、松下照海代表)については既報の通りだ。会社の資金を流出させた業務上横領の疑いがあるのは「自称」会長の松下宗正氏だ。宗政氏が消息を絶ってからまもなく2カ月が経過するが、事態は一向に進んでいない。その後の取材で、新たに松下照海代表の経歴詐称が判明した。
宗政会長だけでなく、照海現代表に別の疑惑が浮上している。照海氏が過去に福岡県に提出したとされる経歴書が2つ判明した。
1つは九菱地所が2015年6月に建設業許可を取得した際に県に申請したもの。もう1つは、別会社で不動産業の「(株)トレスクリエイトプラス(以下、トレス社)」(所在地:福岡市中央区、野田将宏代表)が、2013年に宅建の県知事免許を取得した際に提出したものだ。トレス社は宅建免許取得時に、照海氏(当時は旧名、下平雅之)を専任の宅建士として登録したため、照海氏の経歴書を提出していた。以下に、2つの経歴を示す。
以上のように、同一人物の経歴がここまで食い違っている。少なくとも、どちらかが虚偽の経歴であることは明らかだ。すでにこの時点で経歴の詐称、公文書偽造となる。
トレス社の申請では、照海氏の宅建士資格証明書が添付されているため、資格保有者であることは間違いない。関係者への取材でも、過去に不動産業に従事していたということがわかっており、トレス社が提出した不動産業経歴が正しい可能性が高い。
2つの経歴書について、照海氏本人に尋ねた。宅建資格を保有していることは認めたが「過去のことで、正しい時期についてはわからない」とそれ以上の説明を避けた。
仮にトレス社が提出した不動産業経歴が正しいとなれば、新たな疑惑が生じる。
【東城 洋平】
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・失踪中の建設会社「自称」会長 明らかになった過去(1)
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