2024年12月22日( 日 )

福岡市の建設業「九菱地所」 経歴詐称で建設業許可取得か

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 実質経営者が会社の資金を持ち出し、消息を絶っている建設会社、九菱地所(株)(所在地:福岡市南区、松下照海代表)。松下宗正会長が消息を絶ってからまもなく2カ月が経過するが、事態は一向に進んでいない。その後の取材で、新たに松下照海代表の経歴詐称が判明。不正に建設業許可を取得した疑いが生じている。

 判明した松下照海代表の2つの経歴は既報の通りだ。以下に再掲するが、同一人物の経歴とは思えないほど大きく食い違っている。

 前項で述べたように(株)トレスクリエイトプラス(以下、トレス社)の経歴が正しい可能性が高い。とすると、建設業許可を取得した際に、九菱地所が提出した経歴が虚偽となる。そうなると、新たな疑惑が生じる。

 現在、九菱地所の経営業務管理責任者は「松下照海」となっている。経営業務管理責任者の存在は建設業許可取得の必須条件のひとつ。個人事業主(下平工務店代表)を務めた5年以上の経験がその条件となっており、この経歴が詐称であれば、虚偽申請により建設業許可を取得したことになる。

 逆に、個人事業主であった下平工務店の経歴が正しかったとしても、別の問題が生じる。宅地建物取引業法では、宅地建物取引業者に専門家としての役割を担わせるため、営業を行う事務所に専任宅建士の設置を義務づけている。問われるのは、その「専任性」であり、別会社の常勤者は無論、兼任できない。

 トレス社は宅建免許を取得した2013年に、松下照海氏(当時は旧名、下平雅之)を専任の宅建士として登録したため、照海氏の経歴書を提出していた。照海氏が下平工務店で個人事業をしていたのなら、兼任状態となり、専任の宅建士とはなれない。トレス社も不正に宅建免許を取得したことになる。

 つまり、どちらかの経歴が正しかったとしても、言い逃れはできない状況にあり、松下照海代表も過去を偽って、今を生きている。消息を絶った会長をかばうともとられかねない言動はこれらの後ろめたさがあってのことかもしれない。

【東城 洋平】

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