2024年12月22日( 日 )

元「鉄人」衣笠氏が斬る!~大谷翔平、次の道はどこだろう

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 10月9日に2017年のプロ野球公式戦シーズンゲームが全て終わった。

 セ・リーグ広島、パ・リーグソフトバンクの優勝が決まり、クライマックスシリーズがスタートした。
 クライマックスの第1シリーズがセ・リーグ阪神-DeNA、パ・リーグが西武-楽天。この組み合わせで2勝した方が第2シリーズ進出ということになる。どちらがチームコンデションを整えてくるか?2勝だけに勢いで決まるだろう。
 第2ステージは優勝チームに1勝のアドバンテージがあり、先発投手の組み合わせを考えても優勝チームが有利に働くことだろう。とくに今年は広島もソフトバンクも圧倒的な差でリーグを制覇しているだけに、強いと思う。

 そんな時期を迎えて今年の1年を振り返ると一番話題になったのは巨人軍の低迷、これは仕方がない。人気チームだから負けると批判の的になる。
 そんななか、私が考えていたのが昨年日本一になった日本ハム。シーズン初めから終わりまで、まとまりのない戦いで低迷した。これからまたFA市場で話題になることと思うが、チームがバラバラな印象が強く残った。大谷翔平という選手の動向がメインで、チームの情報がなかなか伝わってこない状況だったように感じる。
 大谷選手が入団してきて5年。「二刀流」という言葉に乗って彼は頑張ってきたと思うが、これは成功だったのだろうか?日本ハムにとってはどうだったのだろうか?多くのメディアがこのオフにポスティングでメジャーリーグに移籍するという予想しており、これは恐らく正しい情報だろう。日本ハムの球団側もこの選手の扱いにはかなり神経質になっての5年間だけに、このオフに始末をつけるのではないだろうか。
 そんな大谷選手の足跡を少したどってみたい。入団した年の横浜でのオープン戦の時に初めて大谷選手に出会い、礼儀正しい、素晴らしい体を持った選手だということを見せてもらった。
 1年目の成績は投手として13試合に登板、61回2/3イニングを投げて3勝0敗。大騒ぎしている周りは少しガッカリしたようだが、持ち前のスピードボールには大いに惹きつけられた。
 打者としても77試合に出場45安打を記録、3本塁打、20打点という数字で目立ったところはない。ただ、ボールの飛距離は素晴らしいものがあり、明日に期待させる選手であることを周りに認めさせる1年目ではなかっただろうか?私には物足りないように見えたが、焦ってはいけないと思いながら見ていた。
 こうして始まった大谷選手の「二刀流」の5年間、野球ファンの人はどう受け取っただろうか。
 両方できるのだから素晴らしいと受け取った人、どちらかにしとけばもう少し成績が出たのではないかな?と考えた人。それぞれの意見が飛び交った選手であったが、プロ野球選手は残した数字がやはりその選手の足跡だと思う。
 5年間で彼は打者として「打率.275、48本塁打、166打点、296安打」。このような数字が残っている。
 投手としては「85試合登板、42勝15敗13完投、7完封勝利、防御率2.52」という数字が残っている。
 この数字をどう見るのだろうか?それぞれの人の見方があるだろうが、大谷という素晴らしい素材の選手にしては、私は物足りないというしかない。打者と投手の両方にチャレンジしているのだから仕方がないという人がいるかもわからないが、それにしても物足りない。本来はもっと凄い数字を残せる素材だけに、これではどこにでもいる選手と同じではないだろうか。
 彼はメジャーに行ってどうするのだろうか?「投手」か「打者」か、いずれにしても選手として終える時に納得させるだけの数字を残して選手を卒業してほしいと思うのは、私だけではないだろう。
 5年という時間をかけて、プロ野球選手の体を手に入れたと思う。あとは日本でもアメリカでもどちらでもいいのだが、持っている素質を引き出す技術を磨く時期にきたということを、本人も周りもしっかりと自覚して野球に取り組んでほしいというのが私の願いだ。
 このままではあまりにも持っている素質に失礼だと思う。野球選手のなかでも何百人に一人という素晴らしい素質を持っているのだから、このことを忘れないで欲しい。

2017年10月12日
衣笠 祥雄

 

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