観光資源でまちづくり 福岡の新たな冬の風物詩・クリスマスマーケット(前)
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(株)サエキジャパン 代表取締役 佐伯 岳大 氏
冬の夜――人を集めるのは困難といわれる時期に2013年から毎年開催されている「クリスマスマーケットin光の街・博多」。今年、5回目を迎えるクリスマスマーケットの主催者である(株)サエキジャパンの佐伯岳大社長に、話を聞いた。
(聞き手:弊社代表・児玉 直)
ゼロから始めた冬の夜のイベント
――クリスマスマーケットを始めたきっかけについてお聞かせください。
佐伯 2007年に知人の薦めで訪れたドイツのクリスマスマーケットに魅了されたのがきっかけです。ミュンヘンやニュルンベルクを訪問したのですが、本場ヨーロッパの歴史あるクリスマスマーケットの温かい雰囲気に心を動かされ、それからは何度もドイツを訪れました。
素晴らしい本場ヨーロッパのクリスマスマーケットの雰囲気を、福岡中で楽しんでもらいたいと強く思ったのです。それまで、イベント運営に関わった経験もありませんでしたので、最初は何もわからないまま、予算や収益ありきでなく、やりたいことからリストアップして必要な予算を確保することから始めました。それでも何とか13年の初開催に至りました。
――第1回のクリスマスマーケットの手応えはいかがでしたか。
佐伯 イベント開催のノウハウがないまま「何としてでもクリスマスマーケットを開催したい」「人を喜ばせたい」という気持ちだけで突っ走りましたね。何の実績もないため、博多駅の駅前広場を借りるのも一苦労でした。何の実績もない若造が、1カ月もの間にわたって中心部の駅前広場を借りることの難しさを痛感しました。ただ、私の気持ちを伝えることで、徐々に地元の方々の助力を得ることができました。
8カ月間、何度も博多駅に通った末にようやくJR博多シティの丸山社長から「やってみましょう」の一言をいただくことができました。とにかく、福岡でクリスマスマーケットを開催することを目標にしていましたので、赤字でもいいから開催したかったのです。
第1回の出店は8店舗でしたが、どのショップさまもイベントの趣旨にご賛同いただいた方々でしたので、儲け度外視で参加していただいたようです。
蓋を開けてみれば、初年度は130万人の方にご来場いただきました。最終日の12月25日が終わった瞬間は、これだけの方々に来場していただいたこと、ご協力者さま、ショップの方々とともにチームで無事にイベントを終えることができたことの実感が湧いて、さすがに涙が流れました。仕事を通じて泣いたのも初めてでした。毎年、初日と最終日は感慨深いものがあります。とくにイベント初日は、「今年も始まったなぁ」とワクワクしますね。
(つづく)
【文・構成:永上 隼人】<プロフィール>
佐伯 岳大(さえき たけひろ)
1981年4月1日、福岡県鞍手町出身。剣道一家に生まれる。祖父や父が剣道を教えていたことから、大人に囲まれた幼少時代を送る。2007年(株)サエキジャパンを設立し、代表取締役に就任。13年「クリスマスマーケットin光の街・博多」を初開催。関連記事
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